トランプ氏「不正の選挙認めるな」
ペンシルベニア州議会共和党が公聴会
米共和党のペンシルベニア州上院議員らは25日、同州のゲティスバーグで、大統領選における不正疑惑に関する公聴会を開き、トランプ大統領の個人弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長や共和党の選挙監視人らが証言を行った。トランプ氏は、ホワイトハウスから電話を通して発言し、「選挙結果を逆転させるべきだ」と訴え、徹底抗戦を続ける姿勢を改めて示した。
トランプ氏は「今回の選挙で不正が行われた。それを容認してはならない」と強調し、証人たちに対しては「愛国者だ」と述べ、感謝の意を示した。また、共和党の選挙監視人が集計所から追い出されたとし、「こうした人々に脅迫されてはならない」と訴えた。
一方、同州のシャピロ司法長官(民主党)はツイッターで、トランプ氏の発言について「事実とかけ離れている」と批判し、「選挙は終わった。ペンシルベニア州は結果を認定し、ジョー・バイデン氏が勝者であると宣言した」とした。
公聴会でジュリアーニ氏は、同州のピッツバーグやフィラデルフィアなどにおいて郵便投票の約68万票が、「共和党員の監視を受けずに集計された」などと指摘。「今回のやり方を認めれば、われわれは民主主義を失ってしまう」と訴えた。
証言した共和党の選挙監視人は「選挙管理委員会は、集計所に約50フィート(約15メートル)のフェンスを建て、すべての監視人はその後ろに囲い込まれた」と述べ、開票状況を確認することができなかったと語った。
また別の選挙監視人は、監督者がUSBカードを投票機にアップロードしたことで、バイデン氏に5万票が加えられたと主張。さらに別の証人は短時間にバイデン氏に約60万票が集計されたが、その間、トランプ氏は約3200票しか集計されなかったとした。
同州連邦地裁は21日、トランプ陣営が郵便投票を無効とするよう求めていた訴訟を「推測に基づいており証拠がない」などとして棄却。トランプ陣営はこれを受け控訴する構えを見せている。
(ワシントン 山崎洋介)