アルゼンチンの伝説的サッカー選手 マラドーナ氏が死去


 サッカー界のレジェンド、アルゼンチン元代表のディエゴ・マラドーナ氏が25日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス郊外の自宅で心不全のため死亡した。60歳だった。地元紙が伝えた。ペレやヨハン・クライフらと並ぶ20世紀最高のサッカー選手の一人だった。

ワールドカップ(W杯)メキシコ大会で頂点に立ち、優勝トロフィーにキスをするアルゼンチンのマラドーナ=1986年6月29日、メキシコ市(AFP時事)

ワールドカップ(W杯)メキシコ大会で頂点に立ち、優勝トロフィーにキスをするアルゼンチンのマラドーナ=1986年6月29日、メキシコ市(AFP時事)

 マラドーナ氏は、3日に硬膜下血腫の手術を受けていた。手術は成功し、1週間ほどで退院した後に自宅静養を行っていたが、術後の体調が懸念されていたという。

 ブエノスアイレスの貧しい家庭に生まれたマラドーナ氏は、サッカーに非凡な才能を見せて同国史上最年少の15歳でプロデビューし、19歳で同国内最優秀選手に選出された。

 その後、同国の強豪ボカ・ジュニアーズを経て欧州リーグに移籍、スペインのバルセロナ(1982年入団)を経て84年にイタリアのナポリに入団した。ナポリではクラブ初のセリエA優勝(87年)に貢献し、サポーターからは「ナポリの王」と呼ばれて愛された。

 サッカー・ワールドカップ(W杯)には82年大会から4大会連続で出場、86年大会ではキャプテンとしてアルゼンチン代表を優勝に導いた。特に86年の大会の準々決勝イングランド戦では、GKと競り合った際に見せた「神の手ゴール」と「5人抜きドリブル」は、世界のサッカーファンが語り継ぐ伝説的なプレーとして知られる。

 一方、同氏に関してはコカイン使用などの薬物疑惑もあり、94年のW杯ではドーピング検査で陽性と判定されて大会からの追放処分を受けている。

(サンパウロ 綾村悟)