届かなかった郵便ー米国から


地球だより

 先日、インターネットを通して妻が家族の写真をまとめたフォトブックを注文した。しかし、それから1カ月近くたち、到着予定日を過ぎても商品は自宅に届かない。

 電話で問い合わせたところ、担当者の女性は「届かなかったということは、配送中に無くなったということですね」とあっさり回答。続けて、送料をクレジットカードに返金し、改めてフォトブックを発送し直すなどと早口で説明してきた。

 こうしたトラブルの対応に慣れていることをうかがわせた。郵便局に問い合わせたりしないのは、仮にしたとしても必ずしもきちんと対応してくれるわけではないので、運が悪かったと諦めて商品を再送した方が早いとの理由からだろう。

 米国で郵便物が自宅に届かなかったのは、これが初めてではない。以前、日本大使館から書類を発送してもらったことがあったが、住所が正しかったにもかかわらず、送り返されたことがあった。郵便での誤配や紛失がまれな日本と比べると明らかに多い。

 大統領選前の10月下旬、FOXニュースが郵便投票に関して興味深い「実験」を行っていた。ロサンゼルス、マイアミ、シカゴなど五つの都市から500の封筒を投函したところ、多くは2~5日のうちに届いたが、二つが送り返され、九つは紛失したという。

 全体の2%強に当たる11の封筒が目的地に届かなかったことになる。番組の中でこの数値についてのコメントはなかったが、日本人の感覚からするとやはり多い。こうした国で今回、郵便投票を大幅に拡大したことが良かったのかと疑問を感じざるを得ない。

(Y)