韓国を“自殺”に導く行き過ぎた「積弊清算」


韓国紙セゲイルボ

 大韓民国の自殺率は人口10万人当たり28・4人で、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で断然トップだ。1日に約40人ずつ自ら命を絶っている計算になる。

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13日、板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で開かれた南北閣僚級会談で握手する北朝鮮の李善権・祖国平和統一委員会委員長(左)と韓国の趙明均統一相(AFP時事)

 自殺はいかなる場合にも正当化されない。1991年、民主化を名分として焼身・投身が相次いだ時、詩人の金芝河(キムジハ)は「死の儀式をやめよ」と一喝した。彼は「烈士と呼び、大規模な葬式を行うことで、軟弱な魂に対して絶えず死を誘惑する暗示を送っている」として、自殺を礼賛して煽(あお)り立てる世相を辛辣(しんらつ)に批判した。

 時には国家も一種の自殺をする。ろうそくデモ政権であることを自認する現政権の行き過ぎた「積弊清算」に対する憂慮の声がますます大きくなっている。

 国政を担当した大統領経験者と国家情報院長、国防長官を大量に牢獄に送ったのに続き、原子力発電所の解体、国家情報院の国内担当廃止、機務司令部(国防部直轄の捜査情報機関)・陸軍1軍司令部の解体、非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)撤去、金浦の海兵第2師団司令部の後方移転、兵役期間の短縮、将軍数の縮小など、国防力の“弱体化政策”を着々と進めている。

 さらに、北朝鮮が対南赤化戦略として待ちわびた終戦協定と平和協定の締結、国家保安法・機務司令部の無力化、連邦制を何かに追われるように進めている。既に滅んだ理念に染まって北の“1人独裁”と人権蹂躙(じゅうりん)に目をつむり、彼らの「民族協調」詐欺に巻き込まれたこの国を見て、ある者は「大韓民国が自殺している」と嘆く。否定したいが、わが国の安保の現実がそのような状況に突き進んでいるとの懸念は消えない。

(趙貞鎮論説委員兼統一研究委員、8月8日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。