注目される南北首脳会談への対処


韓国紙セゲイルボ

対北交渉経験のある特使派遣を

 平昌冬季オリンピックが幕を下ろす。祝祭が終われば後処理が多いものだ。さらに3月18日のパラリンピックが終われば、あちこちから請求書が飛んで来るだろう。これをどのように処理するかにより、韓米同盟と南北関係など韓半島情勢の行方が左右される。

金与正氏(左)と文在寅氏

2月11日、北朝鮮芸術団の公演会場となったソウルの国立劇場で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正氏(左)の話に耳を傾ける文在寅韓国大統領(EPA=時事)

 まず北朝鮮の南北首脳会談提案にどのように対処するかが焦眉の急だ。文在寅(ムンジェイン)大統領が訪朝するなら、いつ、どんな議題を扱うかの腹案をまず用意しなければならない。米国との事前調整も必要で、韓米合同軍事演習再開の決定もある。その際、北の立場を考えて、演習時期や規模を調整するのかとの臆測が出ているが、演習は予定通りに実施するのが当然だ。韓米が調整するのではなく、北が反発の度合を調節すべきである。

 北核問題に関する韓国の役割を細かく規定すべきだ。南北対話を米朝対話につなげようとするなら、韓国が米朝間のメッセンジャー・仲裁者にならなければならない。

 開会式の翌日、金与正(キムヨジョン)党中央委第1副部長らとペンス米副大統領が韓国政府の仲介で会おうとしたが、北朝鮮がドタキャンして失敗に終わったという。米朝ともに対話する意思はあるが、立場の差が大きいという事実が確認された。

 政府の対北特使は“北核特使”でなければならない。核問題をどのように解決していくかに関する計略を持って行かなければならない。北朝鮮の核問題が解決する兆しが見えてこそ、南北関係も改善される空間ができる。

 特使をどんな方式で派遣するのかを慎重に決めなければならない。いつ誰を送るかが核心だ。特使は文大統領の腹心である必要はなく、対北交渉経験を持つ人物を当てるべきだ。いま対北政策が誤作動すれば挽回する時間はない。だから米国にも特使を送るべきだ。南北米3者の関係は連動して動くからだ。

 政府が米朝対話を引き出そうとするなら、立体的な外交を繰り広げる必要がある。外交官らによれば、米国は世界各地に利害関係があり、北朝鮮の核問題をできるだけ単純に見ようとする傾向がある。半面、韓国にとって北核は死活問題であり、切迫した課題だ。米国もこれを無視できない。韓国政府が行動の幅を広げようとするなら、この点を浮上させなければならない。

 対北政策で最も重要なのがタイミングだ。いまが韓半島平和に向かって進むことができる最後の機会かもしれない。残っていない時間を大切にしなければならない。

(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、2月23日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。