“トランプ見直し”ブーム
対北交渉の呼び掛けを評価
ドナルド・トランプ米大統領が日本、韓国、中国などアジア歴訪を終えた。韓国政府とメディアは「トランプが変わった」と評価した。訪問前の“トランプリスク”の心配が消えるほどだった。
トランプは自身に対する訪問国の心配が分かったようだ。彼はメディアと視聴者の反応を見て、今回の日程を消化した。平沢米軍基地と大統領府での韓米首脳会談、国会演説でそれぞれ違う姿を見せたのだ。
米軍基地では、「両国首脳会談で米国内の雇用がうまく解決するように願う」として、自国の政治的状況を念頭に置いた発言をした。
首脳会談を前後しては、「コリアスキップ」はないという立場を明確にし、「コリアパッシング」の憂慮にはくぎを刺した。
国会演説は白眉であった。“軍事オプション”の対象だった北朝鮮に向かって警告を忘れないながらも、交渉のテーブルに出てくるのが賢明な身の振り方だという点を呼び覚まそうとした。ワシントン外交消息筋は論理的なオバマの演説よりも感動を与えるほどだったと評価した。
多くの国民と専門家集団で“トランプ見直し”ブームが起きている。首脳会談を契機に米国の保守政府と韓国の進歩政府の不協和音を指摘する声も消えていった。
両国首脳会談を取材したABCのホワイトハウス担当記者は、「文大統領はトランプ氏の扱い方をよく知っている」と明かした。同記者はトランプ大統領の訪問を控えて、コラムで彼の韓国訪問が“毒になるのか薬になるのか分からない”とし、韓国政府には緻密な準備が必要だと促していた。一部の批判もなくはないが、少なくとも今まで明らかになったところでは、トランプの訪韓は“薬”として作用した。
しかし、それで状況が終ったわけではない。今後、防衛費分担金や韓米自由貿易協定(FTA)等で異見が続出するだろう。北朝鮮を交渉テーブルに呼び出す効果的“関与”カードの準備も容易ではない。韓国の外交・安保ラインが濃密に米政府と議会に接触しなければならないわけだ。
ワシントンの現場ではトランプのアジア歴訪に際して、公式に赴任したチョ・ユンジェ駐米大使の積極的な動きがより一層重要だった。ぎくしゃくした韓米同盟と国益の間の間隙を減らせば、韓国の外交地形は堅固になるという真理を再確認する時だ。
(朴ジョンヒョン・ワシントン特派員、11月16日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。