「クジラの争い」に巻き込まれるな
対北朝鮮安保態勢を強力に
いま韓半島周辺情勢に地殻変動が起きている。習近平中国国家主席と安倍晋三日本首相がほとんど同時に権力基盤を強化した。来月初め、ドナルド・トランプ米大統領の初のアジア歴訪が控えている。周辺強大国の韓半島政策に変化が予想される。当分、東北アジア情勢は揺れ動くだろう。
中国では習主席独走体制がスタートした。習主席は共産党大会で“新型国際関係”を打ち出し、国際舞台で中国の影響力を拡大すると意思表示した。これが中国内の国粋主義的な風潮と合わさって、韓半島政策が強硬一辺倒へ流れるのではと憂慮される。
日本の衆議院選挙では与党自民党が圧勝を収め、安倍1強体制が確立された。連立与党の自民・公明党が改憲を通じて“戦争可能国家”への変身を推進し、軍国主義の動きが活発になるだろう。
中国と日本が北東アジアの覇権をめぐり角逐戦を行う態勢だ。北朝鮮の核・ミサイル脅威などの懸案をめぐり深刻な葛藤が生じる余地がある。この過程で両国の声は大きくなり、韓国の声は相対的に小さくならざるを得ない。
こういう状況でトランプ大統領が来月5日から日本・韓国・中国を順次訪問する。トランプ大統領は韓米首脳会談で米国の核の傘提供を確約するだろう。国会演説では北朝鮮にどんなメッセージを送るかが関心事だ。
トランプ大統領アジア歴訪の最大イベントは米中首脳会談だ。習主席に北核問題でより大きい役割を果たすよう注文するものと見られる。最悪の場合、米中間で北核ビッグディールが議論されるかもしれない。強大国が韓国を排除したまま韓半島の運命を決めることがないよう徹底的に備えなければならない。
今日のような北東アジアの激変期に韓国外交が行く道を正しく捉えているのか疑問だ。「クジラの争いに巻き込まれたエビの境遇」になるのが常だ。政府は周辺強国の韓半島政策がどんな方向に変わっていくかを冷徹に診断しながら、実効性ある対応戦略を立てて、これを強力に推進しなければならない。
必要ならば、われわれも国際社会の対北朝鮮協力体制をかき乱さないように慎重に発言しなければならない。安保態勢を強力にすることが急務だ。
(朴完奎(パクウォンギュ)首席論説委員、10月24日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。