韓半島で展開する米朝“言葉の戦争”
文大統領に慎重な行動望む
4月に続き8月も韓半島危機説が大きく膨らんだ。先月末、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に成功して以降、一触即発のきな臭さだ。
韓半島上空では実質的危機に劣らず米朝最高権力者の“言葉の戦争”が交わされている。“火炎”“怒り”“火の海”“血の報復”等の言葉が憚(はばか)ることなく飛び交う。北朝鮮の“グアム包囲射撃”威嚇とトランプ米大統領の“軍事オプション完了”発言の正面対決は危機感を最高潮に引き上げた。
だが、ソウルは予想以上に静かだ。北朝鮮が崩壊すれば衝撃を免れない北京でもそれほど騒ぐ声が聞こえない。韓国では“安保不感症”が言われ、中国には“無責任だ”との批判がワシントンで議論されるが、韓国も中国当局もこうした批判を受け流している。
両国の対処は、もしかしたら高度な政治的、外交的判断に伴う選択かもしれない。大げさな反応は損害になるという点を認識しているのだ。このような点で、最近の米朝首脳の“戦争云々(うんぬん)”発言と以後の展開は綿密に調べる必要がある。
スコット・スナイダー米外交協会専任研究員は記者に、「トランプ大統領の強硬発言は不確実性を武器にした交渉力高揚の一環だ」と耳打ちした。北朝鮮の専売特許である“瀬戸際戦術”を活用して、金正恩委員長を交渉テーブルに引き出そうとする意図というものだ。
同研究員がニューヨーク・タイムズのインタビューで、「2次朝鮮戦争勃発の憂慮と同じくらい、トランプ・金正恩の“ハンバーガー会談”の可能性もある」と展望したのも同じ趣旨だ。
ウォール・ストリート・ジャーナルは最近、「北朝鮮と米国が繰り広げる“言葉の戦争”劇場の核心観客は北京にいる」と解釈した。同紙は特に習近平中国国家主席がトランプ大統領と電話通話で核問題を解決しようと説得した点に注目した。米中首脳間の通話は核心観客(習近平主席)が核心主演(トランプ大統領)の希望により舞台に上がってきて、役割探しに出た格好だ。
米国務省のジョセフ・ユン対北朝鮮政策特別代表と朴ソンイル国連駐在北朝鮮代表部次席大使がこの数カ月間、“ニューヨーク・チャンネル”を稼働させ、水面下の対話を続けてきた事実も明るみに出た。強硬発言を続けていた北朝鮮も、「見守る」として足を止めている。自ら戦争危機説を煽(あお)り立てる必要がないからだ。
そのような点で8月15日の光復節祝辞で平和体制を強調した政府の対応は正しい。文在寅政府は役割空間の狭い韓半島情勢で道を探さなければならない宿命だ。だから心から要望する。内部的には激しくても外部的には慎重に動いてくれと。
(朴ジョンヒョンワシントン特派員、8月17日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。