平昌冬季五輪の準備に万全を
88ソウルが文化発展の契機に
2018年平昌冬季オリンピック(2月9~25日)が半年後に迫った。しかし、現在のような成り行きでは差し迫ってから右往左往するかもしれない。平昌五輪の成功的開催はもちろん、韓国文化の発展と南北関係改善、さらに平和統一への礎石とするためには、政府と関係当局、そして国民の団結がかつてなく切実な状態だ。
現政権はあたかも五輪開催を忘れているか、気を遣う余裕さえないように見える。文在寅政府はまだ内閣も構成できずに漂流している。韓国国会の慢性病となった“聴聞会政局”のためだ。野党時期に政府与党の閣僚任命と法案にことごとく反対した報復を今、受けている。
顧みれば88ソウル五輪は韓国文化発展の大きな契機になった。何よりも五輪を控えて広がった1987年6月の民主化と大統領直接選挙制を含んだ6・29宣言を引き出し、大きな進展を成し遂げた。
韓国はソウル五輪を前後に、旧ソ連および東欧圏と活発な接触を行う一方、貿易と外交面で文化を開放して、北方政策で韓国人の行動半径を冷戦体制の彼方まで広げる努力を傾けた。
不完全だった80年のモスクワ五輪、84年のロサンゼルス五輪を完全な五輪へと復元させる使命を負っていた。南北分断の冷戦状態にある韓国としては決して易しくない課題だった。
ソウル五輪は画期的な成果を挙げた。何よりも“赤字五輪”を“黒字五輪”に転換し、“スポーツ中心の五輪”を“文化祭典五輪”に転換する決定的な転機を作った。韓国という国家ブランドとイメージの向上を通じて、先進国進入を予告し、五輪の8年後には経済協力開発機構(OECD)にも加入した。
ソウル五輪から20年ぶりに開く平昌五輪もそれに劣らない成果を出そうとするなら、国民的団結と心機一転の姿勢が必要だ。北朝鮮との関係改善のために一部種目の分散開催も考慮してみる必要がある。民間次元の文化芸術団相互訪問など全般的な平和ムード造成が必要だ。
平昌は韓国で唯一分断で分かれた江原道の重要都市だけでなく、非武装地帯(DMZ)から65㌔㍍しか離れていない場所だ。平昌もソウルのように分断の国で平和のスポーツ祭典として成功裏に開催されるように、韓民族の知恵を集めなければならないだろう。
(朴正鎮(パクジョンジン)セゲイルボ平和研究所長・文化評論家、6月20日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。