北の挑発に外交・安保・統一の包括戦略を


韓国紙セゲイルボ

 10日の核実験10周年と労働党創建71周年記念日を静かに過ごした北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)党委員長は1カ月先の米国大統領選挙の結果を待ちながら、新政府により大きな脅威を与える準備で忙しいだろう。

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北朝鮮の「ムスダン」とみられるミサイル=2012年4月、平壌(AFP=時事)

 すでに豊渓里周辺には6回目の核実験を進める動きが捉えられている。この核実験は恐らく決定的脅威となり、これに対する心の準備が必要だ。

 まず外交・安保・統一を包括する大戦略が立てられなければならない。これまで北核問題が起きるごとに、これを制圧できるミサイル導入や原子力核潜水艦、偵察衛星導入、空対地ミサイル導入など兵器体系獲得に対する議論が起きた。もちろん必要なことだが、社会の各界各層で消耗的論争を繰り広げ、気付いたら時間と予算を浪費するだけだった。

 絶体絶命の危機に立って、われわれがどのようにこれを克服するのかに対する哲学と指導部のビジョンがなければならない。それが定まってこそ、外交・国防・統一をどのように調整するのかに対する答も出てくる。

 如何なる方法を使ってでも北朝鮮に核ボタンを押せなくさせる軍事的措置がとられなければならず、全世界に向かった攻勢的外交も必要だ。また韓米同盟の拡張抑止をより強化しなければならない。友好国の信頼を得て安心させることがカギだ。

 1997年の外国為替危機の時のように、北核危機の前で一つになる国民の偉大な力を見せてこそ世界がわれわれの意思を信頼することになる。

(洪圭徳(ホンギュドク)淑明女子大教授・国際政治学、10月14日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。