「核保有国」に近づく北朝鮮


韓国紙セゲイルボ

非対称兵器活用が不可欠に

 北朝鮮が24日、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験発射に成功し、北東アジア安保地形が揺れている。北朝鮮が予想より早く核保有国のステイタスに近づく可能性が高まり、韓国軍の韓国型ミサイル防御体系(KAMD)等、対応戦略の修正は避けられないという声が高まっている。

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潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」の試射を視察する金正恩朝鮮労働党委員長。日時、場所は伝えられていない。朝鮮中央通信が8月25日報じた(朝鮮通信=時事)

 北朝鮮が難しい経済状況でもSLBM開発にこだわったのは、SLBM1発がもたらす政治・軍事的効果が大きいからというのが軍事専門家たちの指摘だ。隠密に水中を航海し、敵の核心標的を奇襲攻撃できるSLBMを北が実戦配備すれば、韓米の北に対する軍事的圧迫は意味をなさなくなる可能性が高い。

 SLBM発射試験を「成功中の成功」と自賛した北朝鮮は、「核兵器の兵器化事業に拍車を加えると同時に、運搬手段開発に総力を集中せよ」という金正恩(キムジョンウン)労働党委員長の指示で核挑発手段開発に拍車を加えるものと見られる。

 舞水端(射程距離3000~3500㌔㍍)中距離弾道ミサイルとSLBM試験発射で成果を上げた北朝鮮として、次に技術的証明が必要な分野は大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。北朝鮮はKN-14(射程8000~1万㌔)等、ICBMに適用される大気圏再侵入体をはじめとする核心技術検証とSLBMの射程延長で、インドのように地上・海上核挑発手段を揃(そろ)えた「中堅核保有国」の地位を確かにするものと見られる。

 韓国軍関係者は、「金日成(キムイルソン)、金正日(キムジョンイル)も果たせなかった『核保有国』地位の確保は金正恩委員長の唯一指導体系確立に多いに役に立つだろう」とし、北朝鮮が核・ミサイル開発を急ぐだろうと憂慮した。

 北朝鮮のSLBM脅威に対して韓国軍当局は2020年代初めまでに構築する予定のKAMDと、北ミサイルをリアルタイム探知して先制攻撃するキルチェーン構築で対応するという方針だ。

 しかし、北脅威に対応していくやり方の戦力増加は数兆ウォンの予算を消耗するだけで、核・ミサイル脅威を阻止するには力不足といわれている。

 したがって、敵通信網を無力化する電磁気パルス(EMP)兵器や、水中で長期間活動できる無人潜水艇を開発して、北潜水艦監視に投じるなど非対称兵器を活用した新しい抑止戦略を樹立しなければならないと指摘されている。

(朴スチャン記者、8月27日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。