国会で求められる朴大統領の役割


韓国紙セゲイルボ

「説得する御者」になるべき

 朴槿恵(パククネ)大統領が13日、国会開会式で演説した。演説は開会ごとに歴代大統領が慣例的に行ってきもので目新しいものではない。

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3日、パリのエリゼ宮(大統領府)で朴槿恵韓国大統領(前列左)と談笑するフランスのオランド大統領(前列右)(AFP=時事)

 しかし、この日の行事が歴代大統領演説に比べて関心を引いたのは、今国会の政治構図と無関係ではない。「与少野多」国会として残る任期を安定的に運営するためには野党圏の協力が必須だからだ。野党も「反対だけ」という批判を避けるなら、適正な線での「妥協」が必要だ。

 しかし、大統領や国会が劇的に変わると期待する国民はほとんどいない。3党体制と来年の大統領選挙などを勘案すれば、さらに悪化するという予想がむしろ多いだろう。

 これは朴大統領支持層の構造的な限界にもその原因がある。朴大統領は硬い支持層を基盤に強力な政治力を発揮する政治家だ。地域支持基盤を土台に強力なカリスマを行使した最後の政治家になるという評価が多い。

 強固な支持層は国政運営においては両刃の剣となる。支持層が固まるほど反対勢力も一層必死になるからだ。支持層が結集するほど批判もそれだけ強まるのだ。

 朴大統領がこの3年半、機会あるごとに労働改革法案処理を訴え、サービス産業発展基本法など経済活性化法案の国会通過を迫ったが、結局失敗に終わった。その背景にはこのような構造的な限界が存在する。何をしようが支持する30%台の忠誠あふれる支持層があり、何をしようが反対する勢力がそれに匹敵して存在するのだ。

 政治力はこのような限界を突き破って、想いを貫徹させる時に光を放つ。解決法は簡単だ。反対勢力を抱いて行くしかない。

 政治学者のリチャード・ニュースタット教授は著書『大統領の権力』で、大統領の理論的権力と現実権力間の乖離をよく見抜いている。法制上・職制上最高権力を持つが、現実では多様な制約で権力行使が大きく制限されざるを得ないということだ。

 大統領制を採択している韓国も同じだ。すべての国家重大事が大統領の最終承認がなければ推進されないものの、国政を運営するためには自身の側でない議会過半数の議員に頼るほかはないというのが現実だ。同教授はこれを「説得する権力」と定義した。

 大統領は御者席に座って、各部の長官や国会議員など政治家たちに自身が構想した政策の馬車に乗ることを薦めなければならない。朴大統領は「説得する御者」にならなければならない。国民もそれを望んでいる。

(イ・ウスン政治部記者、6月14日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。