制裁1ヵ月 北朝鮮は変わったのか


韓国紙セゲイルボ

過去とは違う中国の対応

 北朝鮮の第4回核実験以後、国際社会が類例のない強硬な制裁を施行して1カ月が過ぎた。それ以後、北朝鮮は変わったのか。まだ制裁の効果を云々(うんぬん)するのは早いが、過去とは違った幾つかの差異点が見える。中国の反応だ。

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北朝鮮の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)エンジンの燃焼実験の様子=北朝鮮労働党機関紙・労働新聞のウェブページより(時事)

 ワシントン核安保首脳会議に参加した習近平国家主席は朴槿恵(パククネ)大統領に、「各国が国連安保理の対北関連決議を全面的に完全に履行しなければならない」と語った。オバマ米大統領には、「米中が安保理の対北決議を完全で厳格に執行することを提案する」と話したという。

 中国最高指導部が対北制裁の忠実な履行を公言したのは初めてだ。実際に中国当局は丹東など中朝国境地域の税関検査や密貿易取り締まりに非常に厳格だという。米国は中国の協力などで、制裁はある程度、効果をみていると判断している。

 さらに“交渉”の必要性を他でもない北朝鮮が先に提起していることが過去とは違う。北朝鮮は核安保会議を契機に、米国を猛非難するとともに、突然国防委員会が「一方的制裁より安定維持が急務で、軍事的圧迫より交渉用意が根本解決策だ」と主張し出した。これは5月初めの第7回党大会を控え、制裁局面を対話攻勢に転換しようとする意図を反映したものと推定される。

 だが、交渉提案は戦線を攪乱(かくらん)しようとする欺瞞(ぎまん)術策でもあるので、韓国政府は北朝鮮に非核化の意思がない限り、圧迫は続けるという点を明確にしている。

 やはり、カギは中国の協力だ。習主席は制裁協力を約束したが、中国は安保理決議は徹底的に遵守(じゅんしゅ)するものの独自制裁は一切しないという立場だ。すなわち税関や国境統制など見える措置は概して遵守するが、北朝鮮に搬出入するすべての物資を全量検査するのは現人材では不可能で、国境地帯の密貿易も完全に遮断するには現実的に難しい。

 また東北地方の民生のため“人道的”で“正常”な貿易、取り引きの基準が何かもまだ不明だ。制裁局面が一定期間過ぎ、中国がそれとなく過去の緩い態勢にまた戻れば、制裁の効果は弱まるしかない。

 中国がまた北朝鮮を保護する姿勢に帰るなら、われわれは高高度防衛ミサイル(THAAD)配置を含め、韓・米・日安保協力強化など可能なすべての政策手段で対抗しなければならないだろう。

(李相鉉(イサンヒョン)世宗研究所研究企画本部長、4月8日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。