感染者数などが連日最多 問われる政府の防疫力量


韓国紙セゲイルボ「社説」

ソウル東区区庁の臨時選別診療所で、市民が検査を受けるために待機している(ニューシス/セゲイルボより)

 11月22日午前零時の時点で、新型コロナウイルスの新規感染者が2827人に達した。日曜日としては最多だ。1週間の1日平均重症者も365人→447人→498人と3週連続で増加している。首都圏の重症者用病床の稼働率が80%を超えた。ソウルは84.9%に達する。「非常計画(サーキットブレーカー)」発動基準として提示した上限線(75%以上)を超えて久しい。

 それで首都圏を中心に病床を確保できない重症者たちが気をもんでいる。病床待機者907人のうち70歳以上の高齢層が466人なのも心配だ。4日以上病床に着けない待機者も137人に及ぶ。病床稼働率が限界状況に達して医療現場の施設・人材不足が深刻になり、「段階的な日常回復(ウィズコロナ)」4週目に入ったコロナ対応システムが山場を迎えている。

 こうした状況の中、22日から全国の小中高校の全面登校が始まった。12~17歳の接種率が13%にすぎない状況で、学校がコロナ拡散の震源地にならないか心配だ。今週末、全国の大学別入試に受験生22万人が殺到し、民主労総(全国民主労働組合総連盟)は2万人のソウル都心総決起大会まで予告している状態だ。

 成人90%以上がワクチン接種を完了したというが、ブレイクスルー感染の傾向は止まらない。60~74歳の高齢者が主に接種したアストラゼネカは3カ月で抗体が半分に減るという研究結果まで出ている。新規感染者のうち重症になる重症化率が先月の1.56%から今月は2.36%まで急増した。政府は重症者病床を1.5倍に拡大するよう行政命令を出したが、ややもすると他の重症患者らの被害につながるのではないか心配だ。政府は在宅治療の割合を新規感染者の40%まで上げるというが、1日に2回、スマートフォンのアプリと電話で体温、酸素飽和度などを確認するぐらいだ。正式な入院患者でないので、薬の処方と服用が遅れることも問題だ。

 新規感染者の増加傾向を和らげることが急務だ。このためには6カ月から4~5カ月に前倒しされたブースターショット(追加接種)と青少年層のワクチン接種率を引き上げることがカギだ。政府も病床と専門担当人材を安定して確保するために防疫力量を総動員しなければならない。状況を注視しながらソウルなど首都圏に限り、ウィズコロナ政策を再考することも検討しなければならない時だ。国民もウィズコロナで乱れた防疫規律を引き締めなければならない。不必要な外出と移動を自制し、手洗いの生活化など防疫規則の遵守(じゅんしゅ)に積極的に乗り出さなければならない。

(11月23日付)