衝撃的な小学生の“反日ポスター” 危険水位超える排他意識


韓国紙セゲイルボ

韓国のオンライン・コミュニティーに掲載された反日ポスターの一部(韓国紙セゲイルボHPより)

 政治勢力、産業市場、文化コンテンツに成長した日本の“嫌韓”とまではいかないが、現在の中国、日本などに対する韓国人の排他意識も危険水位を超えている。

 伝統的なメディアを抜いてインターネット、ユーチューブなどが世論消費市場の中核に浮上し、病的な差別の言葉が下水の最終処理場で濾過(ろか)されなかった排泄物のように世論の川に怒涛のように流れ込んでいる。

 最近、オンラインコミュニティーに「誇らしいK―小学生の作品世界」としてアップされている、いわゆる“反日ポスター”は過去の反共ポスターを見るように衝撃的だ。日章旗に核ミサイルが飛んできて、日本列島が海中に沈没する絵に、「日本Xら、みな殺してしまえ」「○○○は○○○檻に」という凄(すさ)まじい呆れた文句が付けられている。

 いつ、どこで、誰の指示でこうしたポスターを作ったのか。確認はできないが、人格を育てる教育現場でこうした活動が堂々と行われているとすれば、恥ずかしいことだ。日本の極右が行う野蛮な言動と変わりがない。

 例えば、外国の教育現場でこのような反韓、反韓国人教育が行われていると想像してみよう。どんな気がするか。あるゴルフ場は日本車の出入りを全面禁止して、「歴史を歪曲(わいきょく)し、われわれにろくに謝罪もしない日本に対する個人企業の意思」だと言ったという。

 THHAD(高高度防衛)ミサイル騒動の時、中国から韓国企業が受けた呆れた侮辱をもう忘れたのか。海外の施設や商店、レストランが「韓国人出入り禁止」「メイド・イン・コリア使用禁止」の張り紙を出入り口に貼っていたとすれば、どんな気がするか。

 大韓民国はアジアの東の端の洞窟で、世の中と断絶して修行する隠者ではない。世界と交流し、貿易して暮らす国だ。歴史経験を土台にして周辺国を含む世界の流れを警戒するのは当然のことだが、韓国第一主義・拝外主義に傾倒した民族差別、人種差別主義は当為的にも現実的にも闘うべき対象であって、歓呼や妥協の対象ではない。

 特に現在の全ての出生児のうち、多文化(国際結婚)家庭の割合が100人中6人に上る。小学校のクラスの人数が20人なら、そのうち1人以上は多文化家庭の生徒であることを忘れるな。

 時代錯誤的であり自己撞着(どうちゃく)的な民族差別、人種差別の言動は、私たちの地域社会に治癒し難い傷を与える。結局、手に負えない亀裂をもたらしかねない。差別的な言動は私たちの社会の敵であり犯罪的行為だ。歪んだ憎悪の土台の上では、いかなる美辞麗句で包装された主義、主張も人を正しく立てることはできない。差別的な言動を放置するなら、私たちの未来はない。

(金青中(キムチョンジュン)東京特派員、11月22日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

「日本よ沈め」と言う韓国の小学生

 この記事の前段には日本での在日韓国・朝鮮人への差別や企業経営者による社員への“嫌韓”強要などが紹介されている。紙幅の都合で省略したが、それらの差別やヘイトは日本の司法によって裁かれ、世論によっても批判されたとも記述された。

 その上で後段では翻って韓国の差別や排他主義の現状はどうかに目を向けている。金青中特派員が驚いたのは、韓国の小学生が描いたポスターだ。これはネットで話題になり、多くの日本人の目にも触れた。記事中伏字になっているが「日本人の奴ら」「日本人は日本人檻に入れろ」などの文言が、日本列島に突き刺さるミサイルなどの絵に書き込まれていた。

 小学生が自らの意思でこのような絵を描いたとすれば、それまでにどんな教育がなされたのだろうか。幼い子供たちに反日、非人権意識はもちろん、激しい憎しみ、恨みが刷り込まれたことが推測できる。

 韓国では全国教職員労働組合(全教組)というかつての日本の日教組を10倍過激にしたような左派組合が教育現場で強い力と影響力を持っている。彼らが教えるのは左派史観によって歪(ゆが)められた歴史だ。韓国動乱は南の北侵で始まったとか、独立門は日本からの独立を記念して建てた、などの虚構が幼い子供たちに教えられているのだ。

 もちろん韓国動乱は北朝鮮による南侵が事実であるし、日清戦争後の下関条約(1895年)で「朝鮮の独立」が明記され、それで、それまで中国の使節を迎えていた「迎恩門」を壊して独立門としたことなど、実際、多くの韓国の若者が知らないのだ。慰安婦問題然り、徴用工裁判、竹島問題、福島処理水放出問題然りだ。

 周囲との善隣友好関係の上で繁栄があるという韓国の現実を教えず、他国民を人と思わず、「沈没してしまえ」と言うような子供たちを育ててしまったこと。それを当然視するどころか「誇らしい」とまでいう韓国の情緒は、いずれ韓国自身の首を絞めていく。東京から眺める本国の様子に戦慄する金特派員の警鐘は届くのだろうか。

(岩崎 哲)