金正恩氏追従は国を滅ぼす、文大統領と586世代は退け
韓国新鋭保守団体の金秀炫氏に聞く
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の大学生たちに宛てた書信に見せ掛けた風刺ポスターを全国各地の大学キャンパスに張り、盲目的に北朝鮮に追従する韓国・文在寅政権の実態を告発する活動などで一躍有名になった新鋭の保守系団体「新全国大学生代表者協議会(新全大協)」。彼らは韓国社会に何を起こそうとしているのか。新全大協共同議長の金秀炫氏に聞いた。
(聞き手=ソウル・上田勇実)
全国440大学に風刺ポスター
活動を始めたきっけは。

キム・スヒョン 1989年生まれ。2008年慶尚北道にある嶺南大学に入学。15年同大の総学生会長。今年8月、自由民主主義の韓国建国理念に基づく愛国運動に貢献した人に民間団体が与える「李承晩愛国賞」の青年賞を受賞。現在、会社員生活をしながら新全大協の活動に従事。
今の文政権は経済を低迷させるのも、青年雇用を創出できないのも、北朝鮮に過度な支援をしようとはするが一切北朝鮮の主張に反論できないのも全て1等の政権だ。私もかつてそうだったように多くの大学生たちは良心的に、道徳的責任感を持って人生を歩もうと思っているのにそれを妨害する勢力が現れた。彼らは1980年代に全国大学生代表者協議会(全大協)という組織を立ち上げた586世代(80年代に学生運動をした60年代生まれの現在50代)であることが分かり、このままでは駄目だと思って昨年末、一種の啓蒙活動をやるつもりで始めた。新全大協と命名したのも元祖・全大協の勢力を無くすためだ。
風刺ポスターでは北朝鮮物がセンセーションを巻き起こした。
パロディーにすることで人々の関心を引き寄せた。私たちは皮肉を込めて「文在寅王室」と褒めちぎっている。全大協は金氏一家の体制を維持する主体思想を勉強し、北朝鮮はそんなに悪くないと考えた。私が通った大学は地域的に保守の地盤なのに総学生会長だった先輩に聞いたら倉庫から昔の北朝鮮関連書籍が大量に出てきたという。そういう勢力が今の韓国を牛耳っているわけだ。だから悲話として彼らの過ちを世間に広く知らしめ、彼らが築いたものを壊してこそわが国が正しい方向に進んでいけると思った。現在、全国約440の大学で同時多発的にポスター張りを行えるまで仲間が増えた。
文政権は反日路線を続けている。どう思うか。
韓日関係が悪い今の時に、韓国人である私が日本人記者から取材を受けるのは簡単なことではない。だが、いつまで恨めば済むというのか。起きてしまった過去をどうしろというのか。現在をどのようにし未来をどうつくっていくのかの方が、過去の過ちを責める時間よりはるかに重要だ。日本と協力して国を強くすることが韓国の進むべき道だ。
前回の大統領選で文在寅氏は若者に人気があったが、啓蒙できるか。
前回の大統領選は国政介入事件で国中が大騒ぎになっていたため、より悪くない候補を選ばざるを得なかったという側面があった。「慰労」が選挙のキーワードだったと思う。文氏は外見でソフトなイメージづくりをしたり女性票を獲得し、若者というより全世代の支持を得るため最善の選択をしたのではないか。一方の保守系候補は逆に屈強な印象を与えていた。若者たちは政治に無関心だが、今後の未来は20代、30代に懸かっているので、彼らが正しい方向へ向かうよう、せめて私たちが頑張らなければならない。
新全大協の目指すゴールは。
文大統領と586世代の側近たちに自分たちの過ちに対する責任を取らせ、社会の第一線から退いてもらうことだ。これは陣営争いではなく善悪の争いであり、韓国を滅亡に導く彼らは悪魔も同然だ。問題は彼らにその自覚がないことで、自分たちは正しいことをしていると信じて疑わないことだ。彼らがそれを悟るまで私たちは闘う。
活動に対する反対や妨害はないか。
反対は歓迎だ。お互いの主張を尊重しながら討論を戦わせるのは大事だ。ポスター張りだけでなくYouTubeに動画もアップしている。ホームぺージを開設しないのは選挙を前に政治活動をするための宣伝と誤解されたくないからだ。元祖・全大協の議長を務めた先輩たちにもいつか「一杯おごって下さい」と声をかけ、虚心坦懐に話し合えたらいいと思う。






