中国紙が日米印豪の「4カ国同盟」を非難


 中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」(電子版)は15日付の社説で、米、インド、日本、オーストラリアの4カ国が、アジアでの経済的、軍事的影響力の拡大を狙う中国に対抗するために新たに築こうとしている同盟関係について「政治的であり、失敗する」と非難した。

 この4カ国同盟は、オバマ前大統領の下で開始された構想で、現在もトランプ政権で水面下で推進されている。4カ国の外交当局者らは15日、シンガポールで会合を開いており、環球時報の社説はこの会合に合わせて掲載されたものとみられている。

 現地からの報道によると、米国からウェルズ国務副次官補(南・中央アジア問題担当)とパトリック・マーフィー国務副次官補(東アジア・太平洋問題担当)が参加した。

 トランプ政権高官によると4カ国同盟の目的は、中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に対抗することにあるという。

 社説は、4カ国同盟が目指しているのは「融資を行いインフラ開発を行う中国の手法に代わるモデルを提供する」ことにあるようだが「今のところこの代替モデルが何なのかは分からない」と指摘、「4カ国が、地域経済を助けることではなく、単に中国の一帯一路に対抗することを目指しているのなら、この取り組みは失敗する」と強調した。

 ウェルズ氏は4月、ワシントン・タイムズに対し、一帯一路は「透明性、持続性を欠き」、パキスタン、スリランカなどに「略奪的な債務」を負わせていると中国を非難、「インド、米国、日本、オーストラリアなどは協力して、(一帯一路に)代わり得る最高水準の良識ある支援を提供する必要がある」と、独自のインフラ開発で一帯一路に対抗する意向を表明していた。

(ワシントン・タイムズ特約)