新型肺炎の感染源は海鮮市場ではない、専門家が指摘
中国・武漢の新型コロナウイルスの感染源は、中国当局が当初、指摘した華南海鮮市場だけではなかった可能性が浮上している。中国人研究者グループが英国の医学誌ランセットに掲載した論文で、肺炎患者が最初に見つかったのは昨年12月1日で、海鮮市場とは関連がなかったと指摘した。
論文は「最初の患者とその後の感染例との間に疫学的なつながりは発見されなかった。少なくとも、13人の感染者は明らかに海鮮市場との接点がない」と指摘している。
市場ではハクビシンなどの野生動物が売られ、1月1日に閉鎖された。
感染症の医師で、ジョージタウン大学の非常勤教授のダニエル・ルーシー氏は科学ニュースサイト「サイエンス・スピークス」で、「感染は11月には起きていたはずだ」と指摘、「華南海鮮市場から最初の感染が始まり、急速に拡大したのではなく、数多くの肺炎患者の中に隠れて、すでに静かに武漢で拡大していた」とみている。
中国保健当局は、最初の感染例は12月半ばとしている。
ランセットに掲載された論文の著者の一人ビン・カオ氏も、ニュースサイト「サイエンスインサイダー」で、「海鮮市場が最初の感染源でないことは明らかなようだ。だが、感染源は今も分からない」と指摘した。
(ワシントン・タイムズ特約)