自民・甘利氏 「事実上の対中切り離し」
米新法、先端技術流出を防止
自民党の甘利明選対委員長・元経済産業相は1日、都内で講演し、米国が中国への先端技術流出を防ぐことを念頭に成立させた「輸出管理改革法(ECRA)」について、「事実上の中国デカップリング(切り離し)政策だ」と指摘した。
保守派集会「J―CPAC」で登壇した甘利氏は、ECRAについて「技術覇権を中国という価値観を共有しない国に先導されてしまうことへの米国の危機感(の表れ)だ」と述べた上で、共通の価値観を持つ同盟国内で技術覇権を維持する重要性を訴えた。
一方で、甘利氏は既に中国市場に進出している日本企業を考慮し、ECRAが特定する機微技術をより明確化するルール作成を求めた。
米共和党のポール・ゴーサー下院議員は、中国が「公平な貿易を行わず、知的財産を侵害し、新興技術を盗んでいる」ことを批判。ECRAは「米国の安全保障を脅かすような新興技術輸出を規制する新しい法律だ」と述べ、中国への最先端技術の漏洩(ろうえい)対策である意図を明確にした。
ただ、ゴーサー氏はECRAについて「中国を阻止する一つの道具でしかない」とし、「日本のような同盟国と協力して統一戦線を強化し、中国に対して臨むこと」が重要だと強調した。