改憲論議の前進を訴え


8条「皇室の財産授受」も見直しを
新しい憲法をつくる国民大会

 憲法記念日の3日、改憲派の新しい憲法をつくる国民会議(=自主憲法制定国民会議)は都内で、第50回「新しい憲法をつくる国民大会」を開催した。

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第50回「新しい憲法をつくる国民大会」であいさつする清原淳平会長=3日、都内で(加藤玲和撮影)

 大会は、①時代に即応しない現行憲法の条文は早く改める②第9条は独立国家の体裁でなく、今こそ改正し(自衛隊を)国防軍と改める――などと訴える決議を採択。同議会の清原淳平会長は特に、あいさつの中で、皇室の財産授受に国会の議決が必要と定める憲法8条の改正を訴えた。

 清原氏はその理由として、「財産」の定義が難しいことに加え、8条が天皇・皇室に対する懲罰規定の性格を持っていることを挙げた。

 これは、マッカーサー元帥が天皇制を存続させる一方で、天皇制廃止を強行に主張する米国以外の「極東委員会」の諸国に配慮し、天皇制を支える貴族制の廃止、直系外の皇族排除、皇室資産の没収・占領下政府への移行など、徹底した皇室への制約を科する一環として8条の制約規定を置いたためだという。

 さらに清原氏は、8条の規定は「皇室経済法」によって実質的に修正されており、有名無実化していると指摘。「(8条の規定は)法律の『上位法・下位法の原則』に反するもので、早く削除し変えるべきだ。こういう改正点があることをご認識いただきたい」と強調した。

 大会ではまた、自民党憲法改正推進本部長の下村博文元文科相をはじめ、中川雅治前環境相、平沢勝栄衆院議員が講話を行い、国会における憲法改正論議の前進などを訴えた。

 これに先立ち、第5回となる「憲法改正川柳コンクール」の表彰式が行われ、大賞1句、佳作6句が発表された。コンクールには全国から2636句の応募があった。

 また、第3部として天皇陛下の即位を祝し、宮廷芸術「雅楽」の実演が行われた。