北対応で一致か不透明
表情は硬いまま握手もぎこちなく
安倍晋三首相は7日、トランプ米大統領との首脳会談後の共同記者会見で、12日に行われる史上初の米朝首脳会談について、「過去の過ちを繰り返してはならないとの思いをトランプ大統領と共有する中で、この歴史的会談にこぎ着けた」と力を込めた。開催を決断したトランプ氏を評価しつつも、今後も北朝鮮に安易に妥協しないようくぎを刺した形だ。
12日の米朝会談に向け、日本側に不安が広がる中、今回の首脳会談で日米が北朝鮮の非核化や拉致問題への対応で歩調を合わせていけるかが焦点だった。
トランプ氏は、会見で日本の記者から拉致問題への対応を問われ、「必ず北朝鮮と議論したい」と強調。安倍首相も北朝鮮への対応で「日米は完全に一致している」と指摘した。
ただ、今回の会談を通して、日米の温度差が埋まったのかは不透明だ。
両首脳の会見前に一足先に姿を現した河野太郎外相ら日本側の会談同席者は、こわばった表情でややうなだれたような様子だった。その近くでペンス副大統領やポンぺオ国務長官、ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官が談笑しているのに比べ対照的な光景だった。
安倍首相は「米朝首脳会談やその後の北東アジアの平和と安定に向けて何をなすべきか、時間をかけて相当突っ込んだ率直な意見交換を行うことができた」と語ったが、両首脳とも表情は硬いままで、会見中に見せた握手もぎこちなさを感じさせた。
(ワシントン山崎洋介)