【東京5区】カギを握る「三谷票」の行方
15日の三軒茶屋駅前。元防衛副大臣の若宮健嗣は、北朝鮮の核・ミサイル危機への対応やシーレーン防衛への取り組みなどをアピール。「にわか仕立ての候補者を立てたところにできるのか」と暗に希望や立憲民主を批判した。若宮には、小野寺五典防衛相をはじめ閣僚や党幹部が連日応援に駆け付ける。
若宮陣営が最大のライバルと見るのが手塚仁雄だ。
前回、約10万2千票の若宮に対し手塚は約6万6千票。ただ、約3万2千票獲得した共産が今回は候補者を取り下げ手塚の支援に回ったことで、拮抗することも予想される。
三軒茶屋駅前で12日に演説した手塚は「憲法を守る」と強調。そこから100メートルもない場所では7、8人の共産党関係者がビラ配りなどをしながら「比例には共産党、小選挙区には手塚候補を」と訴えていた。
手塚事務所では、希望代表の小池百合子の民進リベラル系議員「排除」発言をきっかけに、ポスターを張らせてほしいなどの問い合わせが100件以上殺到。「2009年の政権交代の時の倍以上」だという。
自民を離党し神奈川8区から国替えした福田峰之は、幼少期を目黒で過ごしたが、連合が手塚の支援に回ったこともあり出遅れている。福田自らポスターを張ったほど人手不足の状況だ。
13日、東京・目黒駅前の応援演説に駆け付けた小池は、福田について「水素エネルギーの研究会を一緒に進めてきてきた仲間」と持ち上げた。だが、演説を聞いていた子連れの女性は「候補の人が全然目立っていない」とつぶやく。
無所属などで過去2回5区で出馬した三谷英弘はいずれも4万票以上獲得。今回は他の選挙区で自民から出馬し、支援者に若宮への支援を呼びかけているという。一方、手塚陣営も電話作戦や戸別訪問で「三谷票」の獲得に必死だ。この4万票がどの候補に流れるかが選挙戦のカギを握る。(敬称略)
(石井孝秀)