在日モンゴル人ら 「母語奪うな」訴え行進


民族衣装の若者を先頭にデモ行進する在日モンゴル人ら

民族衣装の若者を先頭にデモ行進する在日モンゴル人ら12日午後、東京都中央区(辻本奈緒子撮影)

 南モンゴル(内モンゴル自治区)でモンゴル語教育が実質停止されてから1年経(た)ち、日本在住のモンゴル人らが12日、都内でデモ行進をした。参加者を100人に制限して行われた。

 日比谷公園に集まった南モンゴル出身者や日本人支援者らは、民族衣装デールに身を包んだ若者らを先頭に銀座など市街地を練り歩き、「モンゴル人から母語を奪うな」などと訴えた。街宣車からは、この問題をめぐり現地で逮捕・拘束された人々の釈放や公職追放された人々の復職などを求め、「モンゴル人がモンゴル語で教育を受ける当然の権利を保証せよ」という声明文を代表者が読み上げた。日本政府に対しても「差別的な政策の停止を直ちに求めよ」と主張した。

 世界モンゴル人連盟のチメド・ジャルガル社会政治部長は「モンゴル人が母語や文化を守る運動は何千年もやってきたが、今回は中国共産党による政策から母語を守る運動が始まって1年だ。子供は民族の未来、民族と言えば言葉だ」と語った。同氏によると、先月からは現地の幼稚園でもモンゴル語を教えず中国語を教えることになったという。参加者で南モンゴル出身のR・G・スチントさんは、集まった同胞に「今こそ一層の団結が必要だ」と呼び掛けた。

 同日、日本国内では東京の他に名古屋と大阪、モンゴル国とスウェーデン、米国でも同様の抗議活動が行われた。

 デモ隊に参加した日本人女性は、「モンゴル、ウイグル、チベットでの弾圧は繋(つな)がっている。次は日本。日本人には早く目覚めてほしい」と話した。