日米豪印で中国海洋進出抑えよ 元自衛艦隊司令官・香田洋二氏
元自衛艦隊司令官・香田洋二氏 世日クラブ講演
バイデン政権 問われる実行力
世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス)の定期講演会が13日、動画サイト「ユーチューブ」のライブ配信を通じて行われ、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏が「インド太平洋構想の意味・意義とこの地域の安全保障ー日米豪印と中国を軸としてー」と題して講演した。
香田氏はまず、米中対立の経緯を振り返り、「米国は、共産(国家の)中国でも、民主主義の良い所を理解し、国際秩序に順応していけるのではないかという根拠のない願望を持っていたが、いくら紳士的に接しても、中国は自己中心的な姿勢を変えないため、オバマ政権後期から『中国異質論』が生まれた」と指摘。さらに、2015年9月、オバマ大統領のアラスカ視察中に中国軍艦が堂々と領海侵入するなど、「中国異質論は確信へと変わり、バトンはトランプ大統領に渡っていった」と強調した。
バイデン新政権の対中政策について、ウイグルのジェノサイド認定や、攻撃的な姿勢を躊躇しないと発言するなど、「融和政策をとるとされたバイデン政権は(現時点では)、極めて強硬なメッセージを出しているが、実効性が伴うかが問題だ」と指摘。「危ないのは、我々日本の対中姿勢の方ではないか」と警鐘を鳴らした。
一帯一路構想などで、強硬な海洋進出姿勢を見せる中国に対し香田氏は、日米豪印(クワッド)がとるべき対中戦略は、「人民解放軍がインド・太平洋に進出するための要所である南西諸島やバシー海峡などの『チョーク・ポイント』を4カ国が合意に基づいて守る体制をつくることだ」と主張。その上で「チョーク・ポイントの要に位置するのが台湾だ」と、台湾の重要性を強調した。