ブラジルの変異ウイルス、感染力 従来の3倍


 ブラジルのパズエロ保健相は11日、アマゾナス州で発見された新型コロナウイルスの変異種に関して、従来型の3倍近い感染力があると発表した。

ブラジルのパズエロ保健相=1月22日、サンパウロ近郊(AFP時事)

ブラジルのパズエロ保健相=1月22日、サンパウロ近郊(AFP時事)

 この変異種に関しては、既存の抗体の効果が少なくなるとも報告されており、実際に抗体を持ちながら再感染した例も出ている。一方、パズエロ氏は、ワクチンは変異種にも効果があると言明、今後もワクチン接種を積極的に進めていくとした。同型の変異種は、先月初めに羽田空港の検疫所でも発見されている。

 一方、パズエロ氏は、6月までにブラジルの全人口の半分、年末までには全人口にワクチンが行き渡るようにすると言明した。ブラジルでは先月から、英アストラゼネカと中国シノバック社製ワクチンの接種が始まっているが、今後はロシアやインド、中国国営製薬会社の傘下にある研究所が開発したワクチンなども導入を進めていく予定だという。

 ブラジルでは連日5万人を超える新型コロナの新規感染者と1300人以上の死者が出ており、累計感染者は世界3位の971万人、死者は世界2位の23万6千人にも上っている。深刻な感染拡大に直面しているアマゾナス州では酸素ボンベが不足するなど、医療崩壊に直面している自治体も多く、経済・社会活動に深刻な影響を及ぼしている。

(サンパウロ 綾村悟)