「保守に対する言論弾圧」 沖縄2紙を正す会がシンポジウム
「ニュース女子」への反基地活動家らの反論
東京のローカル局、東京MXテレビが1月2日の番組「ニュース女子」で沖縄の反基地運動を特集した件で、反基地活動家らは、「沖縄ヘイト」として強く反発している。しかし、同番組にも出演した「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」(以下、正す会)の我那覇真子代表運営委員らは、異論を封殺しようとする姿勢こそが問題で「言論弾圧だ」と強調している。(那覇支局・豊田 剛)
真実を「ヘイト」にすり替え、辛淑玉氏に公開質問状
番組では、現地取材した軍事ジャーナリストの井上和彦氏が、①反基地活動に参加する地元の人は少ない一方で、県外・国外の人が多い②活動家はテロリスト③ゲート前のデモ活動で交通費が支給される④組織に雇用されていて、週末は活動を休んでいる――など、反基地活動の実態を明らかにした。東京MXテレビは多様な意見があるという前提で「議論の一環として放送した」と説明している。
これに反論するのは反ヘイトスピーチ団体「のりこえねっと」の辛淑玉氏だ。上野千鶴子・東京大学名誉教授や前日弁連会長の宇都宮健児氏、評論家の佐高信氏らと共同代表に名を連ねている。番組では、「往復の飛行機代相当、5万円を支援します。あとは自力で頑張ってください」と書かれている「のりこえねっと」のチラシが紹介された。
辛氏は「若い子に死んでもらう。それからじいさんばあさんたちは向こうに行ったら座って泊まって、嫌がらせをして捕まってください」と過激な発言をしている。
辛氏は1月27日、番組で名指しで批判されたことから放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に申し立てた。BPOは辛氏に対し、「まず話し合いで解決してほしい」と求めた上で、今月10日の委員会で、「ニュース女子」について報告書の提出をMXテレビに求めた上で討議し、審議入りすることを決めた。BPOは、「意見」を出すことを「審議」と定義しており、勧告を伴う「審理」よりも軽い措置だ。
辛氏は、東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏が司会を務めたことを理由に、同新聞に抗議文を送ると、東京新聞は2日付朝刊で、「他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」とする深田実・論説主幹名の謝罪記事を掲載した。
これについて長谷川氏は6日、ニッポン放送のラジオ番組「ザ・ボイス そこまで言うか!」で「私に対して処分をするということは、言論の自由の侵害になる」と反論。「論説主幹の意見を忖度(そんたく)し、他の意見を排除していたら、北朝鮮と同じになってしまう」と述べた。
沖縄のメディアが「のりこえねっと」側に一方的に同調する状況に危惧を覚えた正す会は13日、「沖縄県を日本の植民地と言い、ありもしない沖縄ヘイトに論理をすり替えた」と指摘した上で、辛氏に公開質問状を提出した。
「以下に挙げる事実を貴女は承知しているのか否かをお答え頂きたい。
①反対派活動家による高江地域における違法な私的車両検問とその常態化について。
②反対派活動家が高江地域の生活基幹道路上に多数の車両を縦横に放置し、村民の通学、通勤、通院、作物出荷に破壊的な損害を与え、何度も生活を脅かしていた事実について。
③反対派活動家が、職務中の防衛局職員、機動隊員、建設作業員に対して、日常的に暴力行為、ヘイトスピーチを行い人権を侵害していた事実について。
④反対派活動家による立ち入り禁止区域への常態化した不法侵入について。
⑤山城博治平和運動センター議長をリーダーとする活動家集団が機動隊員宿泊を不満とし、近隣の当該ホテル入口敷地内において、脅迫による威力業務妨害を行った事実について。」
これを踏まえて、正す会は18日、宜野湾市で「東京MXテレビ『ニュース女子』の真実」と題するシンポジウムを開催。我那覇真子さんは、反基地活動家について「東京MXテレビに流された真実を沖縄ヘイトという嘘(うそ)にすり替えようとしている。さらに悪質なのは、保守に対する言論弾圧に使おうとしていることだ」と訴え、「司会者の懲戒解雇を要求していることは、まさしく人権弾圧だ」と指摘した。
また、沖縄教育オンブズマン代表でラジオキャスターの手登根安則氏と東村在住でカナンファーム代表の依田啓示氏は、高江地区で私的車両検問を受けた経験があることを明かした。その上で依田氏は、「昨年の2カ月間で20件の救急通報があったが、基地反対派にとって救急車を出動させることが実績になっている」という実態を明らかにした。
ゲスト出演した元衆院議員(日本のこころ)の杉田水脈氏は、「のりこえねっと」の昨年の集会で辛氏が過激な発言をしたと指摘。反日勢力は国連など国際的な組織を利用して世界に発信しているが、「保守側も世界にどんどん発信していかなければならない」と呼び掛けた。
正す会は、公開質問状の回答期限を22日に定めたが20日時点では回答がない。24日には東京で記者会見を行い、米弁護士のケント・ギルバート氏らも出席する。






