JOC要望聴取「自由民主」 試される「スポーツ立国」
平昌後もメダルの伸びしろ
平昌冬季五輪の次は「北京五輪で過去最多の金メダル数を獲得することを目標」とする日本オリンピック委員会(JOC)は、新たな冬季競技用ナショナルトレーニングセンター(NTC)の整備を自民党に要望した。自民党機関紙「自由民主」(3・13)が、1日の党スポーツ立国調査会の会合でJOCから報告・要望を聴取した記事を2面に掲載している。
果たして、「メダル獲得数は金4・銀5・銅4の合計13で、冬季五輪としては過去最多となった」平昌大会を超える目標は実現できるのか。同紙(1・2、9合併号)の新春座談会「平昌五輪から東京五輪へ」は、伸びしろを示唆している。出席者は橋本聖子党参院議員会長(五輪女子スピードスケート銅メダリスト、JOC副会長)ら。
橋本氏は、「国としてナショナルトレーニングセンターや国立スポーツ科学センターを整備したことにより、指導者の質も向上し、選手全体の競技レベルの底上げが実現した」が、「国が政治的な部分から支援するようになってから、やっと形になったというのが実情です」と述べている。
また、堀内詔子党新聞出版局次長(衆院議員)は、「世界の選手強化費は、英国が133・9億円、韓国が120・2億円です。日本の選手強化費は91・5億円であり、世界と比較しても少ない」と指摘した。
夏季競技では、NTCの中核拠点が東京・西が丘に2008年に開所(味の素NTC)し、その後の2大会でメダルが増えた。冬季競技は07年以降、各地の既存施設をNTCの競技別強化拠点に指定。その後の結果は過去最多のメダルだが、まだまだのようだ。
さらに同紙(3・13)は、長期遠征が多い冬季競技の場合、「十分な勤務日数を確保できず、民間企業などへの就職が夏季競技に比べ難しい。そのため、生活が困窮している選手やスタッフが多く、生活支援を含めた活動基盤の改善が必要不可欠」と伝えた。NTC整備とともに、同党の「スポーツ立国」らしい政治の取り組みが試される。
編集委員 窪田 伸雄






