「朝日自ら誤報の訂正を」 慰安婦報道訴訟の第3回口頭弁論


原告側報告会で徳永弁護団長

 米国グレンデール市(カリフォルニア州)の日本人住民らが、朝日新聞の「慰安婦強制連行」報道によって被害を受けたとして、同社を訴えた「朝日・グレンデール訴訟」の第3回口頭弁論が15日、東京地裁で行われた。原告の住民らは、朝日新聞の一連の「慰安婦」報道が誤報であったことに対して、米ニューヨーク・タイムズ紙などの大手海外メディアへ謝罪広告の掲載を求めている。

800

東京地裁の「朝日・グレンデール訴訟」第3回口頭弁論について報告する徳永信一弁護団長(中央)=15日、東京都港区で

 訴訟の報告会で原告側の徳永信一弁護団長は、先月16日に杉山晋輔外務審議官が国連女子差別撤廃委員会で、吉田清治氏(故人)の虚偽を朝日新聞が報じたことが慰安婦問題の原因と名指しで説明したことを評価。軍の関与は「慰安所の設置」「移送」「医療提供」についてだと説明したことも大きな前進だとした。

 一方で、昨年12月の日韓合意で双方が批判しないとしたことは、国際社会で日本の誤解を解くチャンスを狭めてしまうと懸念。「朝日が民間の立場で、自分たちが世界に誤解を広めてしまったと謝罪するべきだ」と強調した。

 このほか、AJCN代表の山岡鉄秀氏が朝日の慰安婦問題で講演。山岡氏は、朝日の英語版記事が今でも「日本軍からセックスを強制された」「女性の多くは朝鮮半島出身」などと報道していると指摘。「朝日は『性奴隷』という言葉は避けながら、『慰安婦は強制連行された性奴隷』という印象操作を今も行っている」と批判した。