竹富町は採択協議会に従えと文科相が是正要求


 沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)の竹富町が、採択地区協議会で決まった育鵬社の中学公民教科書でなく、東京書籍の教科書を使い続けている問題で、下村博文文部科学相は、県教育委員会が竹富町に対し地方自治法に基づく是正要求をするよう指示した。

 当然の措置であり、県教委は今度こそリーダーシップを発揮して竹富町を説得し、採択地区協議会で決定した教科書を使用させるようにすべきである。

 沖縄県教委が教組に迎合

 この問題は、八重山採択地区協議会が2011年8月、育鵬社の中学公民教科書の採択を決定したが、竹富町教委が従わず、別の教科書を選定したことに起因する。

 県教委が収拾に乗り出したものの膠着状態が続き、12年4月から竹富町は東京書籍の公民教科書を使っている。

 義務教育での教科書は教科書無償措置法により、国費で賄われて無償配布される。その条件として、複数の市町村から成る広域地区は、同じ教科書の採択をするように義務づけられている。教師が教材の共同研究をしやすくする点などを考慮しての措置だ。

 竹富町の教育長は、この間、文科省から同法に違反していることへの説明を求められてきたが、教委に教科書採択権限があるという「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(地教行法)の規定を根拠に、強気の姿勢を崩していない。

 八重山採択地区協議会は、保守系の石垣市長が選出されたのを受け、長年続いてきた現場教師の意見で各教科書をランク付けし、教員の意向を受けて教科書を採択する悪弊の是正に乗り出した。

 さらに、中国との緊張が高まり、中国との国境に近い八重山地区で、領土や主権の問題を明確に指摘する育鵬社版が選ばれる結果となった。

 だが、竹富町がこれに反発する姿勢を取り続けてきたのは、沖縄タイムス、琉球新報などの地元紙が育鵬社版採択の動きを察知し、「戦争賛美の教科書」「沖縄軽視」と騒ぎ立てたのに加え、地元紙の主張と足並みを揃える沖縄県教職員組合(沖教組)の主張に県教委が迎合してきたことが背景にある。

 文科省は今年3月、当時の義家弘介文科政務官が竹富町を訪れ、決定を見直すように指導するなどの措置を取りつつ、忍耐強く対処してきた。

 沖縄県では、地元紙によって沖縄戦で生じた集団自決が軍命によって起きたかのような報道が続けられてきた。今回の竹富町による教科書採択をめぐっての違法状態もこれと無関係ではない。

 この7月末、軍命がなかったことを証明するドキュメンタリー作家の連載記事を琉球新報が掲載拒否したことについて、控訴審で契約違反とする判決が出された。

 子供たちを振り回すな

 竹富町の子供たちが、大人のイデオロギー闘争に振り回されることなく、時代の変化に応じ適切な認識を学べる公民教科書を手にすることができるよう、下村文科相の今後の指導力に期待したい。

(10月22日付社説)