深刻!保育士不足


dt131021 待機児童解消に向けて、自治体では保育施設の拡充などが議論されているが、それに対して保育の質の低下を懸念する声が強まっている。特に問題になっているのが保育士の不足だ。

 厚生労働省の調査によると、保育士の有効求人倍率は今年1月時点で1.51倍。都道府県別で見ると東京(3.44倍)をはじめ35の都府県で1倍を超えており、募集しても必要な保育士数の確保が難しい。

 今後、保育の拡大に伴って必要となる保育士は、現在の約32万人から4年後の平成29年度末で約46万人。

 それに対して実際の保育士数は、離職率などを考慮して約38万6000人と推計している。つまり、7万4000人の保育士が不足するというわけだ。

 同省の保育士確保に向けた取り組みでは、資格を持っていても働いていない潜在保育士の就職支援や認可外保育施設で働いている人が資格を取れるよう支援することなどが柱。ちなみに、資格を持っていても保育士を希望しない理由は、「賃金」、「責任の重さ・事故への不安」、さらには「健康・体力の不安」などが挙げられる。

 国が定めた保育士配置基準は、0歳児3人に保育士1人、1・2歳児6人に1人、3歳児は20人に1人。現在は延長保育などもあり、保育現場からは「これでは不十分」という声も上がっている。