中国軍、最新ICBM試射認める

ビル・ガーツ

 中国人民解放軍は、破壊力の大きな新型大陸間弾道弾(ICBM)DF41の試験発射を行ったことを認めた。

 国防省報道官の呉謙氏は記者会見で、DF41試射について「開発を予定通り進めるために普通に行われることだ。特定の国、地域、標的に向けたものではない」と主張。「わが国が進めている国防政策は、防衛のためであり、軍の積極防衛戦略に沿ったものだ。兵器の開発を行っているのは、国家安全保障の必要に応えるためだ」と他国を標的としたものではないことを強調した。

 この発言は、トランプ大統領訪中の2日前に、DF41の試射が極秘に行われていたことを本コラムが明らかにしたことを受けたものだ。

 呉氏は、DF41の配備時期についての質問には答えなかったが、中国共産党機関紙・人民日報はこの会見の2日前に、来年中に配備される予定であることを報じていた。

 同紙は、11月6日の試射について触れることなく、ミサイル専門家の陽成俊退役大佐が、DF41は米露のミサイルと違い、試射で失敗したことがないと主張したと報じていた。

 陽氏は「DF41は第4世代のミサイルで、中国の最新の戦略ミサイル」と指摘、移動式で、短時間で発射でき、正確に標的を破壊できると主張した。

 中国人専門家によると、米国のミニットマン、ロシアのSS27に相当するが、一部技術はDF41の方が優れているという。

 6発から10発の弾頭を搭載可能で、これは中国の戦略核弾頭技術が飛躍的に進歩したことを示している。射程は1万2000㌔、誤差は100㍍で、米国全域を射程に収める。

 陽氏によると、地上、鉄道、格納庫の3種類のプラットフォームから発射でき、「地球上のどの場所でも攻撃可能で、自国への核攻撃に反撃できる」という。

 北朝鮮の新型長距離ミサイル「火星15」の試射は世界各地で報じられたが、中国軍がDF41の試射を認めたことを報じたメディアはごくわずかだ。