米統参副議長、情報戦能力を強化で中露に対抗

ビル・ガーツ

 米軍のセルバ統合参謀本部副議長(空軍大将)は上院公聴会で、サイバー攻撃、情報操作などを使った情報戦に対抗したり、実行したりする能力を向上させるための措置を講じていることを明らかにした。

 セルバ氏は上院軍事委員会への声明で「(国防総省は)敵勢力の認識、決定、行動に影響を及ぼし、戦略的目標達成に役立てるための手段としてサイバー空間を利用する能力を向上させなければならない」と強調。

 そのうえで「サイバー空間に流される敵勢力のプロパガンダ、誤情報、偽情報から防御し、それらを無力化するための同盟国、友好国の取り組みを支援する能力を強化する必要がある」と訴えた。

 ロシアと中国は、情報操作で、自国の政策への国内外から支持を獲得することに成しており、国防総省は両国の情報戦能力への対応を強化している。

 ロシアの情報戦は、2016年の米大統領選で表面化、ロシア人ハッカーの攻撃で情報が流出し、親ロシア・メディアで拡散された。

 一方、中国は、南シナ海、東シナ海のような戦略的海域を支配するための自国の活動の重要性を低く見せるための情報操作を行っている。

 セルバ氏は、米軍が情報戦、サイバー戦を効果的に行うには、「すべての戦闘領域にわたる」活動を統合する必要があると指摘、「敵勢力をしのぐための新たな作戦の概念、組織構造、先進ツールの改善を進めている」ことを明らかにした。