世界水泳で熱いカザン


地球だより

 今、ロシアのカザンが熱い。世界水泳選手権2015が8月9日まで開催され世界の注目を集めた、ロシア連邦の一つタタールスタン共和国の首都カザン。モスクワから空路で2時間ほど。ボルガ川の中流に位置する。

 極めて豊富な地下資源を背景にロシアと対等な関係を維持しながら、連邦内では他の州や共和国よりも優位な立場を首長の政治手腕で確保している。

 近年スポーツや文化事業にも外資を活用し、競技場などのインフラを整備した。クレムリンから譲歩を引き出し、ユニバーシアードや国際会議を招聘(しょうへい)し、成功させ知名度を上げて来た。

 運営面で参考になるのは、建設した公共施設を、別のイベントで再活用するのが非常にうまいことだ。

 今回もメーン会場のルビン・スタジアム(4万5千人収容)を仮設の水泳競技場として整備した。この後、世界マスターズ水泳選手権や、2年後のワールド・カップの会場として施設を活用する。

 先住民はアジア系のタタール人で、日本人にもよく似ている。現地で水泳のコーチをする友人が毎日SNSサイトで大会のライブ情報を送って来てくれたが、今年は日本企業のスポンサーの影響もあり、日本人気に拍車が掛かっているようだ。

 特に18歳で200㍍平泳ぎで金メダルを取った渡部香生子選手等、日本勢の大活躍もあり、個人自由形で金4個獲得の快挙を成し遂げた米国人18歳のレデッキー選手と共に地元でもかなりの話題となった。カザンから目が離せない。

(N)