休暇は日光浴でゴロゴロ ロシアから
地球だより
ロシア人の休暇は、日本人のそれとは質的に異なっている。日本人の主な目的は、現地の観光名所を見てまわること。「観光地の写真を撮りまくっているのはたいてい日本人」というのは、欧米でもロシアでも有名である。
一方、ロシア人の目的は、「日光にあたること」。それで、ロシア人に最も人気なのは、晴れの日が多く、日差しの強いトルコやエジプト。次に、タイやギリシャなどが続く。どの国も理由は同じだ。
彼らは、休暇の間中ビーチでゴロゴロして暮らす。彼らが言うに、「ロシアは、寒くて、天気が悪く、曇りの日が多く、セロトニンが不足する。それで南の国にいって、その不足を補う」のだとか。(セロトニンとは、「安らぎ」を与える脳内物質。セロトニンの分泌により、「快眠でき、ストレスに強くなり、幸福感が増す」といわれる。そして、この物質は、朝日を浴びることで増えるのだ。)
確かに、モスクワは天気が悪い。夏の間は涼しく(30度まではメッタに上がらない)日本人には暮らしやすい。しかし9月に入ると、毎日暗雲がたちこめ、ほとんど毎日雨が降っていた。しかも気温は急速に下がり、9月末には最高気温が5度。東京の真冬よりも寒い。10月1日には、雪も降った。朝日を見ることはメッタになく、確かに「セロトニンが欠乏する」という説には一理ある。
そんなわけで、ロシア人は、有給をフルに使い、2週間も3週間もビーチで暮らす。筆者も、付き合いで、ロシア人と旅行にいくことがある。しかし、ビーチでゴロゴロできるのは1~2日。後は、一人で観光名所を巡ることになる。
(Y)