PCR検査もバイク便でータイから


地球だより

タカラバイオと島津、PCR検査キット量産へ

 

 巣ごもり生活を強いられるコロナ禍で、デリバリービジネスが活況を呈しているのはタイでも同じだ。タイの豊かな食文化は、ネットでオーダーできる宅配料理も健在で、日本料理やタイ料理、専門店からの取り寄せとより取り見取りだ。
 なおバンコクのデリバリーフードで圧倒的シェアを占めるのが、フードパンダにラインマン、それにグラブフードやピザマニアといったところだ。だが大手と一線を引いて、着実に顧客を囲い込み食品デリバリービジネスに食い込んでいる個人経営の店も存在する。

 なお、タイらしいなと思うのは、新型コロナウイルスPCR検査のオートバイによるデリバリーサービスが出現したことだ。自宅あるいは会社で検体を採取、それがバイク便で運ばれ、診断結果はメールで送られてくる。料金は診断表と配達料込みで5500バーツ(約1万8150円)と少々、高い。

 また、バンコク都庁はバンスー中央駅にある鉄道車両整備場と場内の寝台列車を無症状者、軽症者の隔離施設に改装し8月中旬から運用を開始した。現在、タイ全国でコロナにより約21万人が入院中(臨時病床を含む)。人工呼吸器を装着している患者は1169人に上り、バンコク首都圏などで顕著な医療逼迫(ひっぱく)に対応した。

 ベッド数は400数とたいしたことはないが、手持ちインフラを自在に使おうというのは学ぶべき基本姿勢だ。こうした現実問題に柔軟に対応できるパワーがタイらしいところだ。

(T)