米国防政策委 親中派委員らを解任
米国防総省の有力諮問機関、国防政策委員会に親中派、オバマ前政権時の委員が数多くいることを以前、指摘したが、ようやく委員の入れ替えが行われ、数日内に新たな委員が任命される。
ミラー国防長官代行は、「委員らの退任に感謝している。何十年間も務めた人も多くいる。激しい覇権争いに国防総省が適応していくために、数日内に新たな委員を指名する」と記者(ビル・ガーツ)に述べた。
同委は、政策担当国防次官への助言で重要な役割を果たし、委員は、機密情報へのアクセスの権利が認められている。
解任されるのは13人の委員のうち10人。そのうち最も重要な人物はヘンリー・キッシンジャー元国務長官だ。対中融和策の立案者とされ、その政策は、その後何十年間にもわたって共和、民主両政権で受け継がれてきた。
退任する民主党の元高官には、マデレーン・オルブライト元国務長官、元司法省高官のジェイミー・ゴーリック氏、ジェーン・ハーマン元下院議員、ルディ・デレオン元国防副長官らがいる。デレオン氏は現在、リベラル系シンクタンク「アメリカ進歩センター」の研究員を務めている。
退任する共和党員は、国防総省の元高官J・D・クラウチ氏、ロバート・ジョセフ元国務次官、エリック・カンター元下院院内総務ら。ゲイリー・ラフヘッド元海軍大将も退任する。
政策担当国防次官のサイトによると、レーガン政権の元高官ポーラ・ドブリアンスキー氏、共和党のジム・タレント元上院議員、ブッシュ(子)政権の元財務次官デービッド・マコーミック氏は留任する。
委員会の改編の指示が出されたのは、エスパー国防長官が解任されて間もない11月25日。ジェームズ・アンダーセン政策担当国防次官代行は改編に反対しており、エスパー氏解任の同じ日に辞任した。
ミラー氏は、トランプ政権の国防政策に合わせて、さらに省内の改編を実施するとみられている。
上院外交委員会の元共和党首席法律顧問のウィリアム・トリップレット氏は、委員会は政権の支持者を主体とし、過去の政権の高官らは一部にすべきだと主張、トランプ政権の委員の多くは、政権の政策とは「全く反対」の考え方を持っていたと指摘した。
委員入れ替えの要因は中国への姿勢だけではないようだ。中国と関係が深いヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのCEO、マコーミック氏も留任する。