心も体も温まるギフトーイスラエルから


地球だより

 11月に入りやっと雨期らしく雨が降り始めたと思っていたら、今度は降りやまずに各地で洪水被害が出た。雨は本来、イスラエルにとって恵みである。ガリラヤ湖の水位が1週間で3㌢上がっただけでニュースになるほどだ。

 地域によっては水はけが悪く、多くの車が屋根まで水に浸かっていたり、川のようになった道路をゴムボートをこいで移動している人々の様子を報道で見ると、なかなか都合のいいようにはいかないものだと思う。

 大雨がちょうど収まった頃、2カ月ぶりに娘が登校した。コロナ禍でずっとオンライン授業だったが、週に3日学校に行けるようになった。娘によれば、友達はみんなコロナなどお構いなしにハグして、久しぶりの再会を喜んだという。

 学校ではこの日、ホロコースト生存者を訪問するプロジェクトがあり、娘はクラスメートと共に、厚手の靴下、紅茶のパックやスープのもとなど体が温まるような物をあれこれ袋に詰めて、担当のお宅2軒を訪問した。

 突然の訪問に、お年寄りは最初びっくりしたが、目的が分かると非常に喜ばれ、娘たちは中に入ってお茶を飲んでいってと招かれたそうだ。けれども、なにぶんコロナ禍で年配の方には細心の注意が必要なため、丁重にお断りしたという。

 娘は至って上機嫌で事の一部始終を語り、次は毛布などもっと大きい物を持っていくと張り切っていた。大雨が降って急に寒くなったが、サプライズのギフトと高校生の笑顔で、お年寄りたちは心が温まったことだろう。

(M)