北核危機における韓日協力
中国の横暴を防ぐテコに
北朝鮮が日本の頭上に2発目の弾道ミサイルを発射した15日、東京近郊にいたので、日本の安保態勢を見ることができた。
朝早くテレビをつけると日本政府は素早く動いていた。菅義偉官房長官は発射30分後に記者会見を行って、「最も強い言葉で北朝鮮を糾弾する」とした。インド訪問を終えて羽田空港に到着した安倍晋三首相は、「暴挙を決して容認できない」と短くコメントした。放送は待避案内をし、新聞は号外を出して出勤途上の人々に配った。一部地域の小中学校は臨時休校し、東北新幹線など列車は運行を一時中断した。
一方、ソウルは素早くも断固ともしていなかった。号外を出した新聞はなかったし、ストライキ中の公営テレビは押し黙っていた。ワシントン・ポスト記者は、「世界で北朝鮮の長距離ミサイルと核兵器を全く恐れない唯一のところが韓国」と表現した。
日本は大げさ過ぎるが、意図的黙殺で人為的な平和を享受する韓国の態度が正常だとは言えない。北の「ソウル火の海」発言は、オオカミ少年の嘘のようだが、イソップ童話をよく読めば悲劇だ。みなが油断する瞬間、オオカミが来て、無防備な彼らをとらえて食った。
宋永武(ソンヨンム)国防長官と文正仁(ムンジョンイン)大統領特別補佐官の間の不和は愚かな歴史を思い出させる。朝鮮仁祖(インジョ)の時、高官たちは清の大軍を前にして、南漢山城で主戦派と主和派に分裂して争っていた。旧韓末、高宗(コジョン)と重臣らは国家の存亡が火急な状況で、親露派と親日派に分裂して戦った。
国防長官が大統領特別補佐官を遠慮なく、「学者のような話」と非難したことは行き過ぎたが、大統領府が国防長官を公開で警告したことは、より一層理解できない。将兵が長官を見くびれば軍規が正しく維持されない。亡国の歴史を繰り返すつもりなのか。
米朝間の瀬戸際戦術が臨界点に向かっている。平和を守ろうとするなら可能な代案を探して実行すべきだ。韓米協力は言うまでもなく、補完策として韓国・日本の協力指数を引き上げなければならない。韓日協力はサード(高高度防衛ミサイル)報復を実行して北朝鮮を擁護する中国の横暴を防ぐテコとしても遜色がない。
日本の国力と技術力、軍事力は想像以上だ。万事可能な中国も「韓+米」と「韓+日」で合わされる三角融合力を恐れるだろう。安倍首相の過去の歴史認識は気に入らないが、大局的見地が必要だ。
(白永喆(ペクヨンチョル)論説委員、9月21日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。