北朝鮮がミサイルを連発した意味
対米交渉から韓国の排除狙う?
文在寅政府がスタートした10日から29日まで20日間で、北朝鮮は何と4回もミサイルを発射した。主に米国を狙ったものというのが専門家の分析だが、今回のように韓国で新政権出発後、短期間に立て続けに発射したのは異例だ。
14日には新型中長距離弾道ミサイル「火星12」の試験発射を行った。北の報道は打撃目標が米国のハワイとアラスカだと明らかにした。
1週間後の21日には射程が2000㌔㍍前後と推定される「北極星2」弾道ミサイルを打ち上げた。27日には地対空迎撃ミサイルを、29日未明には江原道元山付近からスカッド系と推定される弾道ミサイルを各々発射した。
中長距離弾道ミサイル(IRBM)の「火星12」と準中距離弾道ミサイル(MRBM)「北極星2」は北自ら明らかにしたように、ハワイ・アラスカ、駐日米軍基地など米国を狙ったものだ。2日前に発射した地対空迎撃ミサイルも米国航空母艦から出撃する戦闘機とミサイル攻撃に対応するため、と解説される。
だが29日に発射したスカッドミサイルは違う。これは韓国を狙った兵器に分類される。したがって、北のミサイル発射は米国に対する反発と同時に、文在寅政府を揺さぶるための布石とも解釈できる。
実際に新政府スタート後、数日間、何の言動もなかった北朝鮮は18日から文政府に向かって非難をはじめた。18日、労働党外郭機構である朝鮮アジア太平洋平和委員会が、文大統領が国家安全保障会議(NSC)を緊急招集したことを「醜態だ」と非難した。
特に「自衛の核武力強化措置を中傷し、尊厳と体制に挑戦する者は誰であれ、わずかな慈悲も望んではならない」と威嚇まで行った。また、労働新聞は22日と28日、文政府の特使外交を非難し、「外勢依存病を捨てて、南北関係改善に取り組め」と促した。
張哲雄(チャンチョルウン)慶南大極東問題研究所教授は、「北のミサイル発射は大部分は対米用だが、文在寅新政府の対北基調を試す次元の可能性もある」と説明した。
張教授は続いて、「韓国で新政府がスタートしたのにもかかわらず、ミサイルを続けて発射するのは、今後の核・ミサイル交渉から韓国を排除しようとする下心と見える」と語った。
ある専門家は、「多様なミサイル発射で軍事的優位を浮上させ、南北関係で主導権を握るという意図であるようだ」と分析している。
(聨合ニュース、5月29日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。