米国の安全脅かす中国のスパコン
失うことは、米国の国家安全保障を著しく損ねることになる」と警告している。
報告によると、スパコンは、核兵器、サイバー戦、艦船、通信セキュリティー、ミサイル防衛、精密誘導兵器、極超音速兵器など、ほぼすべての近代兵器システムの設計、開発、解析に「非常に重要な役割」を果たしているという。
中国は、既存の先進ミサイル防衛を使って通常・核兵器を運搬できる極超音速ミサイルの開発を急いでいる。「(高速コンピューティングで)米国がトップの地位を失えば、米国の核抑止力が損なわれ、将来核システムの発達が阻害されることもあり得る」と指摘、「逆に、中国が優位に立ち、それをもとに新たな能力を持つ兵器システムを配備し、米国がその真の能力を正確に把握できなければ、中国の脅威への評価を誤る可能性が大幅に高まる」と、開発促進の重要性を訴えた。
米国の現在のスパコンはコストが低く、この分野で米国が指導的立場を失うことになれば、スパコンの調達に膨大な費用が掛かるようになる。そればかりか、米国の産業界が中国のスパコンに依存するようになれば、「知的財産や競争力の喪失の可能性」も出てくる。
「海外の組織が、高速コンピューティングで優位に立ち、情報市場をコントロールするようになれば、個人の電子メール、個人情報、ソーシャルネットワーク、IoT(モノのインターネット)のすべてが、大きな危険にさらされることになる」と報告は分析、スパコンへの予算増額と取り組みの強化を求めている。