「二重国籍」軽く見る民進

 民進党の新しい代表が9月15日に誕生する。代表選挙には、蓮舫、前原誠司、玉木雄一郎の3氏が立候補している。

 正直言って、代表選挙は盛り上がりに欠けているようだ。このことは国民の多くが民進党に期待していない証拠でもあると思うのだが、本紙読者は如何にお考えだろうか。

 ところで、代表選挙は最初から蓮舫氏のリードで推移しているが、彼女の『二重国籍』問題をこのまま放置しておくべきではない。民進党所属の国会議員をはじめ、地方支部の党員も『二重国籍』問題を軽く見ているところに、民進党の最大の問題があるのではないか。党内から『二重国籍』問題についての正式な説明を求める声が出てこないこと自体が異常だ。

 蓮舫氏の説明も二転三転している。過去の雑誌等のインタビュー記事などを読む限り、現在も『二重国籍』のままであると批判されてもしかたあるまい。

 普通に日本で暮らすだけならば、『二重国籍』を問題視する必要はない。

 だが、民進党の代表は、自民党に代わって政権を担う場合、日本国の首相に就任する。つまりは自衛隊の最高指揮官の立場となるのだ。『二重国籍』問題は日本の安全保障に直結するものであり、蓮舫氏が自衛隊の最高指揮官という立場を理解していないで、代表選挙に立候補しているとしたら、勉強不足も甚だしいと言わざるを得ない。国会議員としての資質にも問題があるだろう。ちなみに菅直人氏も、自衛隊の最高責任者が首相であるということを知らなかった。

 話を代表選挙に戻すが、街頭演説会や公開討論会を通じて、立候補している3人から安全保障問題についての見解がほとんど述べられていない。唯一、前原氏が「憲法9条に自衛隊の存在(位置づけ)を明記するべきだ」と言っているくらいだ。

 3氏は北朝鮮のミサイル発射・核実験や、中国の南シナ海・東シナ海への攻勢に対して、日本は今後どのように向き合うべきと考えているのか。

 代表選挙期間も残りわずかとなったが、是非とも日本の安全保障問題についても語ってもらいたい。

(濱口和久)