核・ミサイルの次は対南テロか
韓国紙セゲイルボ
今国会で防止法の制定急げ
北朝鮮の第4回核実験と長距離ミサイル発射に続き、今度はテロに対する憂慮が大きくなっている。最近、国会の「緊急安保状況点検党政協議」で、金正恩(キムジョンウン)北朝鮮国防委員会第1委員長がテロのための力量結集を指示し、対南・海外工作総括機構である偵察総局がこれを準備しているという情報が報告された。
北朝鮮が強行できる対南テロは「サイバーテロ」と「人的殺傷テロ」だ。情報当局は今後、北朝鮮が狙う人的殺傷テロの対象者として政府要人、反北朝鮮活動家、北朝鮮批判マスコミ人、脱北者などで、毒針や毒劇物を利用して殺害する方法が動員されるだろうと把握している。
金正恩が直接指示して対南テロを試みる理由は何か。まず、開城工業団地稼働全面中断に対する報復の性格が濃厚だ。工団労働者賃金の相当額が金正恩の秘密資金管理組織である「労働党39号室」に上納され、さまざまな用途に転用されたというがこれが遮断された。
開城工団は労働者5万人とその家族20万人の生計の場だった。閉鎖で住民は職を失い不満が高まっているが、突然、トップに座った金正恩は対南テロを行うことで、関心を韓国や外部に逸らそうとしている。
また“南南葛藤”に火を付け、韓国内の国論分裂を呼び起こそうとする。北朝鮮は韓国が憲法上言論の自由が保障されているので、従北・親北勢力の存在を活用して、国内の対立を誘い、混乱を起こそうしているのだ。
この他にも3月7日から始まる歴代最大規模の韓米軍事合同訓練を控えて、烏山基地から平壌の主席宮まで7分で飛んで行って、精密爆撃できるF22ステルス戦闘機など米国の最先端戦略的資産が韓半島に動員されていることに対する反発心理もある。
こうしたことから、より徹底したテロ対策をたてて直ちに実行に移さなければならない。万に一つ北が実際にテロを敢行した場合、「北朝鮮首脳部斬首作戦」を断行するという事実をはっきりと知らしめる必要がある。
そして、なによりも、15年間も国会で漂流している対北朝鮮“テロ防止法”を今回の2月国会では必ず通過させなければならない。北朝鮮が引き続き挑発の程度を高めており、かつてなく全国民的で超党派的な対処が要求されている。北朝鮮テロ情報を政府はもちろん政界は聞き流してはならない。
(劉永玉(ユヨンオク)(社)国家報勲安保研究院長・国家有功者学会長、2月22日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。