「アフリカ各国と認識共有」 外相 ウクライナ侵攻めぐり


林芳正外相

 日本政府が国連などと共催するアフリカ開発会議(TICAD)のオンライン形式の閣僚会合が26、27の両日開かれた。林芳正外相は27日の会合終了後、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、「アフリカ各国から懸念が述べられ、国際社会が協力することの必要性について認識が共有された」と記者団に説明した。

 閣僚会合は今年8月にチュニジアで予定する首脳級会議の準備会合として開催され、約50カ国が参加。林氏は26日の会合冒頭で、ロシアによるウクライナ侵攻がエネルギーや食糧供給に影響を及ぼしていると指摘し、「国際社会が一致して事態に対応する必要がある」と訴えた。

 侵攻を受けて採択された2回の国連総会決議をめぐり、アフリカ54カ国のうち賛成はいずれも約半数にとどまった。林氏の発言はこれを念頭に置いたもので、「われわれが問われているのは、陣営を選ぶことではなく、国際社会がよって立つ原則を守ることだ」と強調した。

 林氏はまた、中国の過剰な対外支援を念頭に、途上国での開発金融の透明性の向上の必要性をアピール。さらに、「強靭(きょうじん)な経済構築のため、民間企業のアフリカ進出を後押しすると表明。新型コロナウイルス禍で打撃を被ったアフリカ経済の再生に貢献する姿勢を示した。