米、トルコへの制裁解除


「恒久的な停戦」の順守求める

トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスで演説し、トルコがシリア北部のクルド人勢力への軍事作戦について恒久的な停戦を通知してきたとして、トルコに対する経済制裁を解除すると発表した。一方、トルコが停戦合意を守らなければ再び制裁を科すとして順守を求めた。

トランプ米大統領

会合で発言するトランプ米大統領=23日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグ(AFP時事)

 トランプ氏は「トルコ政府がシリアにおける軍事作戦を中止し、停戦を恒久的なものとすると伝えてきた」と説明。その上で、「トルコが少数民族の保護などの義務を履行しなければ、我々には関税の大幅な引き上げを含む厳しい制裁を再び科す権利がある」と牽制(けんせい)した。

 トランプ氏は、シリア国内の油田を守るため小規模な米兵の駐留を継続する方針も示した。一方、「長く血に染まった砂漠での戦いは他の誰かにやらせればいい」と述べ、今後は米国の中東への関与を減らしていく姿勢を改めて強調した。

 また再び台頭することが懸念されている「イスラム国」(IS)については、「トルコやシリアなどこの地域の国々は、ISが領土を取り戻さないようにするため努力すべきだ」と述べ、周辺国が責任を持つべきとの認識を示した。

 財務省はトランプ氏の支持を受け、トルコの国防相ら3閣僚と2省を対象にした制裁を解除した。

(ワシントン 山崎洋介)