米民主党討論会、ウォーレン氏に批判集中
トランプ氏弾劾、各候補支持
2020年米大統領選に向けた民主党の候補者討論会が15日、オハイオ州ウエスタービルで行われた。支持率でリードするバイデン前副大統領(76)やウォーレン上院議員(70)をはじめ参加した12人の候補者は、一様にトランプ氏の弾劾手続きに支持を表明した。
ウクライナ疑惑をめぐってトランプ氏の弾劾調査が始まってから初の論戦となった討論会で、ウォーレン氏は「次の大統領やこの国の未来のためにも弾劾を進めなければならない」と主張。バイデン氏も「トランプは現代史で最も腐敗した大統領だ。弾劾に向けて動く以外に選択肢はない」と訴えた。
一方、バイデン氏は、自身の副大統領時代に息子がウクライナ企業から利益を得ていた問題を問われ、「息子も私も何も悪いことはしていない」と疑惑を否定。「これはトランプ氏の腐敗の問題。そこに焦点を当てるべきだ」と批判をかわした。
最近実施された複数の世論調査でトップに立つウォーレン氏は、持論の国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」をめぐって他の候補者たちから批判が集中した。ウォーレン氏は、中流階級への増税になるかとの質問に直接答えず、「中流階級の家族の(保険料などを含めた)費用を下げない法案に署名しない」と繰り返し強調した。
これに、ブティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長(37)は「イエスかノーかの質問に答えないことこそが、ここ中西部の人たちがワシントンの政治に不満を抱えている理由だ」と指摘した。
一方、ウォーレン氏と同様にメディケア・フォー・オールを掲げるサンダース上院議員(78)は「税金は上がると考えるのが適切だ」と中流階級にも増税になると認めた。
候補者たちはまた、トランプ氏がシリア北部からの米軍撤収を決めた直後にトルコ軍がクルド人勢力へ攻撃を開始したことについても言及。バイデン氏は「過去と現在のすべての司令官はこれを恥じている」と非難。ウォーレン氏は米国は中東に軍隊を置くべきでないとしつつも、「衝動的な決定により、史上最大の人道危機を生み、イスラム国(ISIS)が足がかりを得るのを手助けした」とトランプ氏の決定に反対した。
(ワシントン山崎洋介)