リオのカーニバルに赤信号


民営化で危うい継続開催

「X-9」の山車

サンバパレード会場を進む名門「X-9」の山車=3月2日、ブラジル・サンパウロ(時事)

 ブラジル・リオデジャネイロ市のクリベラ市長は先月、市の財政難を理由に来年からサンバチームやサンバ会場に対する補助金を打ち切り民営化することを決定した。リオのカーニバルの開催には、サンバチームごとに多額の費用が掛かることから、来年2月に予定されているカーニバルの開催が危ぶまれている。

 「世界最大の祭典」とも言われ、豪華絢爛(けんらん)な山車と派手な衣装のダンサーたちで知られるリオのカーニバルでは、これまで主要サンバチームやサンバ専用会場「サンバドロモ」の運営費に対して、リオデジャネイロ市から巨額の補助金が投入されてきた。カーニバルの運営費の中には、警官や警備員への給料、清掃費、救護スタッフの手配なども含まれる。

 来年のカーニバル開催に向けて、各チームはスポンサー探しなどに奔走しているが、豪華な山車の作成だけでも1台当たり日本円で1億円を超える費用が掛かるという。経済状況が低迷しているブラジルの現状では、完全な民営化によるリオのカーニバルの運営は困難が予想されている。

 一方、福音派の敬虔(けいけん)な信者として知られるクリベラ市長は、カーニバルに対してかねて否定的な姿勢を示してきた。しかし、補助金打ち切りはリオのカーニバルに限ったことではない。7月には、観光局を含めた市の行政機関各所に対してチケット販売型のイベントに補助金や市のサービスを無料で提供することを禁止している。

 この決定により、9月下旬にはブラジル最大のロックの祭典「ロックインリオ」に影響を与え、今回の同祭典は市からの補助金やサービスが提供されない状態で行われた。

(サンパウロ 綾村悟)