米大統領、ボルトン補佐官解任
北、イランとの対話推進か
トランプ米大統領は10日、ツイッターで、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任したと発表した。トランプ氏は「(ボルトン氏の)提案の多くに強く反対し、政権の他の人々もそうだった」と意見の不一致を理由に挙げた。対外強硬派のボルトン氏が去ることで、トランプ政権が北朝鮮やイランとの対話姿勢を強めるかが注目される。
トランプ政権での安全保障担当補佐官の解任は今回で3人目。有力候補には、ビーガン北朝鮮担当特別代表のほか、グレネル駐独米大使などの名前が挙がっている。
ボルトン氏は、北朝鮮やイランに対する軍事行動や体制転換を支持する対外強硬派として知られる。このため、北朝鮮やイラン、アフガニスタン情勢などをめぐり融和姿勢を見せたり、対話に意欲を示したりするトランプ氏と意見の違いが目立ち、関係が悪化していたと伝えられる。
トランプ氏がアフガニスタンの反政府勢力タリバンとの秘密会合をワシントン近郊の大統領山荘「キャンプデービッド」で計画していたことに対して、ボルトン氏は強く反発。これが退任の直接的なきっかけとなったとみられる。
北朝鮮の非核化交渉をめぐってボルトン氏は、北朝鮮が求める「段階的非核化」に反対し、一気に完全非核化を進める「ビッグディール(大きな取引)」を支持してきた。ボルトン氏が辞任することで、トランプ政権は北朝鮮に対し対応を軟化させる可能性がある。
(ワシントン 山崎洋介)