米大統領、コーツ情報長官の辞任発表


後任に下院議員指名へ

 トランプ米大統領は28日、ツイッターで、コーツ国家情報長官(76)が8月15日付で辞任すると発表した。後任にはジョン・ラトクリフ下院議員(53)を指名すると明らかにした。コーツ氏はロシアや北朝鮮、イラン情勢をめぐってたびたびトランプ氏と意見の食い違いを見せていた。

コーツ国家情報長官

コーツ国家情報長官(EPA時事)

 コーツ氏は、トランプ氏が昨年7月にロシアによる2016年大統領選への選挙介入に否定的な見方を示した時に、「ロシアの関与は明白」とする異例の声明を発表した。

 今年1月の議会証言でコーツ氏が「北朝鮮が核を完全に放棄する可能性は低い」と指摘した際に、トランプ氏は「非核化のチャンスは十分にある」と反論。また、イランについてコーツ氏が核兵器製造に必要な活動を進めていないと証言したことについてトランプ氏は「とんでもなく消極的で甘い」と批判していた。

 ラトクリフ氏は連邦検事やテキサス州ヒース市長などを経て、15年に下院議員に初当選。24日に行われたロシア疑惑をめぐるモラー特別検察官の議会証言では、「司法妨害でないと断定できない」とする同氏の捜査報告書を厳しく批判した。ラトクリフ氏の長官就任には上院の承認が必要になる。

(ワシントン 山崎洋介)