米副大統領、イランへの軍事行動も辞さず


「核兵器の獲得許さず」

 ペンス副大統領は8日、ワシントンで講演し、イランがウラン濃縮度を核合意で制限された基準を超えたことに触れ、「われわれは彼らの経済に圧力をかけ続ける。トランプ大統領の下で、イランが核兵器を手に入れることを決して許さない」と強調し、イランへの強硬な立場で臨む立場を示した。キリスト教福音派による集会で語った。

ペンス副大統領

ペンス副大統領(AFP時事)

 ペンス氏はまた、「イランは米国の自制を、決意の欠如と混同すべきでない。米軍は国益や米国人を守る準備ができている」と述べ、軍事攻撃の可能性も排除しない考えを示した。

 さらにペンス氏は、イランへの制裁措置が効果を上げていると主張した上で、「イランは自国民を思いやるか、地域全体に暴力とテロリズムを広め、イスラエルに対する憎悪を吹き込む代理組織に資金を供給し続けるか選択すべきだ」と迫った。

 イランは、ウランの濃縮度を引き上げると発表し、8日は濃縮度が米欧など6カ国と2015年に結んだ核合意で制限された3・67%を超え、4・5%を上回ったことを明らかにした。これによって、米国との間で緊張が高まっている。

 トランプ大統領は8日にフランスのマクロン大統領と電話会談を行い、イランが核兵器を獲得することを阻止するための方策について話し合った。トランプ政権は、欧州諸国などと連携を図ることで、イランを孤立化させたい考えだ。

 一方、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は同じキリスト教福音派の集会で、「イランが核兵器開発を放棄し、世界中でテロリズムを支援するなどの暴力的な活動をやめるまで、われわれは圧力を強化し続ける」と牽制(けんせい)した。

(ワシントン 山崎洋介)