ジョアン・ジルベルト氏死去


88歳「ボサノバの父」 ブラジル

 「イパネマの娘」などボサノバ音楽の歌手・ギタリストとして有名なジョアン・ジルベルト氏が6日、リオデジャネイロの自宅で死去した。88歳。死因は不明。家族によると、数年前から体調を崩していたという。

ジョアン・ジルベルト

 

 ジルベルト氏は1950年代後半、作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビン氏らと共に、ブラジル生まれの音楽ジャンルとして知られるボサノバ音楽を生み出した1人。

 代表曲でもある「イパネマの娘」「想いあふれて」は、ボサノバ音楽を世界に知らしめた名曲で、音楽界では「ボサノバの父」「ボサノバの神様」などと呼ばれていた。

 1964年に米音楽家のスタン・ゲッツ氏と共に発売したアルバム「ゲッツ/ジルベルト」は、米国で大ヒットし、米グラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した。

 このアルバムの中で、当時ジルベルト氏の妻だったアストラッド・ジルベルトさんが歌った英語版の「イパネマの娘」は世界的に大ヒット。後に多くの歌手が同曲をカバーするきっかけとなった。日本には、2003年に初来日した。

(サンパウロ 綾村悟)